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敵のミサイルや人工衛星など宇宙空間の物体を探知し、撃破または無力化するための兵器システム。人工衛星のかたちで宇宙空間に配備されたり、地上から発射されて使用される。第2次世界大戦末期にイギリス本土を攻撃したドイツ軍の弾道ミサイルV-2号が登場したことで、戦史上はじめて高度80km以上の宇宙空間に戦場が拡大された。
1950年代後半から、米ソ両国で核弾頭装備の大陸間弾道弾(ICBM)が多数配備されるようになるとともに、これを要撃する地上発射の弾道弾迎撃ミサイル(ABM:Anti Ballistic Missile)の開発がはじまった。ABMは70年代半ばにはICBM基地や首都などの重要地域に少数が配備されている。このABMが宇宙空間からの脅威に対抗する兵器の始まりである。当時は誘導技術がおとるために、ABM自体に核弾頭を搭載し、ICBMの近くで自爆して相手を破壊するという乱暴な兵器だった。 その後、メガトン級の核弾頭や個別誘導複数弾頭(MIRV:→ICBMの「MIRV」)、弾道ミサイル原子力潜水艦に搭載されたSLBMなどが実用化され、米ソの戦略ミサイル競争はますます激化した。また、高度1000km以上の高軌道を巡回し、突然100kmの低軌道に急降下して地上目標をミサイルで攻撃する部分軌道攻撃システム(FOBS:Fractional Orbital Bombardment System)がソ連に登場し、アメリカをはじめ世界に衝撃をあたえた。
このため1966年12月、国連で宇宙条約が採択され、核兵器をはじめとする大量破壊兵器(生物化学兵器など)を宇宙空間の地球周回軌道に配備することは禁止された。しかし核兵器をつんだ弾道ミサイルが宇宙空間を通過することは禁止していないし、宇宙空間の軍事利用も禁止されてはいなかった。
米ソは相手側の戦略情報の入手をきそい、ICBMなどを探知警告する早期警戒衛星や偵察衛星をうちあげた。軍事衛星には偵察衛星だけでなく、通信衛星や気象衛星、測地衛星、航法衛星など多くの種類があり、1957年以来うちあげられた多数の人工衛星のうち75%は軍事衛星であるといわれている。 一方、相手側の衛星を破壊する方法の研究もすすめられた。ソ連は実際にキラー衛星ともよばれる攻撃衛星をうちあげ、軌道上の衛星を破壊する実験をおこなった。アメリカはF-15戦闘機からうちあげて低軌道の衛星を撃破するSRAM2という慣性・熱線誘導型ミサイルを開発した。
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