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源氏物語

源氏物語 げんじものがたり
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

11世紀初頭に紫式部が記した物語で、平安時代の女流文学の代表作。一般的に全編54帖(じょう)を3部にわけ、光源氏の栄華への軌跡を第1部、その憂愁の晩年を第2部、次世代の薫や匂宮(におうのみや)の物語を第3部とする。第3部最後の10帖は、宇治を舞台に展開することから「宇治十帖」とよばれる。

II

あらすじ

1

第1部

桐壺帝(きりつぼのみかど)の第2皇子として生をうけた主人公は、たぐいまれな美貌(びぼう)の持ち主で人々を魅了したが、身分の低い母はまもなく病死し、桐壺帝は皇子の将来を憂慮して、源の姓をたまわり臣下とした。「光源氏」とよばれるゆえんである。源氏は左大臣の娘葵上(あおいのうえ)と結婚するがなじめず、なき母によく似た桐壺帝の寵妃(ちょうき)藤壺宮(ふじつぼのみや)にあこがれて密通し、生まれた子は桐壺帝の皇子としてそだてられる。源氏は藤壺へのみたされない思いから、空蝉(うつせみ)・夕顔・若紫・末摘花(すえつむはな)・六条御息所(みやすどころ)・朧月夜(おぼろづくよ)・花散里(はなちるさと)などの女たちとの恋を遍歴する。

これらの恋は源氏の運命に浮沈をもたらし、ことに桐壺院の死後は、須磨、明石に身をひそめる不遇の一時期をすごす。2年後源氏は都にもどり、藤壺との不義の子が冷泉(れいぜい)帝として即位する。源氏は壮大な邸宅六条院を造営し、理想の伴侶にそだった藤壺の姪(めい)紫上をはじめ、かかわった女たちをあつめて住まわせた。出生の秘密を知った冷泉帝からは上皇に準じる処遇をうけ、帝にまさるともおとらない栄華をきわめた。

2

第2部

年老いた朱雀(すざく)院が愛娘(まなむすめ)女三宮の将来を懸念し、源氏に託そうとする。女三宮が紫上同様藤壺の姪であることに心うごかされ、源氏は結婚を承諾するが、予想外に女三宮は未熟だった。源氏はかえって紫上への愛情を深めるが、両者の信頼関係は修復しがたく、紫上は孤独な日々をおくる。いっぽう源氏は、女三宮が柏木(かしわぎ)と密通して生んだ薫を、実子として抱くことを余儀なくされ、わかき日の自らの罪を思って深い憂愁にしずむ。やがて紫上は苦悩のうちに病死、源氏はその死を哀傷しながら出家の準備をする。

3

第3部

出生の秘密をかかえる薫は、現世の栄華に心がなじまず仏道に傾倒するが、世捨て人八宮を仏道の師とあおいで宇治にかよううち、その娘大君(おおいきみ)にひかれる。八宮の死後、薫は大君に求婚するが、大君は妹中君(なかのきみ)との結婚を薫にすすめる。薫は中君を匂宮にむすびつけ、大君の決意をうながすが、大君は薫の求愛をこばんだままこの世をさる。大君を追慕する薫に、中君は、大君によく似た異母妹浮舟を紹介するが、やがて薫、匂宮ともに浮舟と恋におち、板挟みとなった浮舟は入水しようとする。たすけられて小野の里で尼になった浮舟は、薫の迎えにも応じないまま、物語は幕をとじる。

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