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国家(政治)

国家 こっか State
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

国家とは、一般に、一定の地域社会の上に成立する統治機構(権力組織)をさすが、その統治機構の下にある社会そのものをさす場合もある。国家あるいは国という言葉は、古代ギリシャの都市国家、古代のローマや中国のような帝国、未開社会や遊牧社会の部族国家、ヨーロッパ中世の封建国家、あるいは日本の江戸時代の幕藩体制のような封建国家などにも広く適用される。しかし、せまい意味では、国家とは近代の西ヨーロッパ社会が生みだし、世界に強い影響をあたえた政治共同体のことをいう。

II

近代国家と国民国家

この近代国家は、一般に「領域」「主権」「国民(民族)」から構成される。つまり、(1)国境でかこまれた一定の領域が確保されていること、(2)その領域内では一元的な法律の権威が共有され、その法律を制定し、強制するための排他的組織が確立していること、(3)構成員の間で言語、文化、宗教に関して相当程度の共通性がたもたれていること、の3つの要件である。

この近代国家(ステート)は、前述の国家(ポリティカル・コミュニティ)とは概念的に明確に区別されている。近代国家が成立するのは、歴史的にみれば16~17世紀の西ヨーロッパのことであり、絶対君主の力によってつくりあげられた権力組織としてあらわれた。

強力な君主は、全ヨーロッパを支配していたローマ・カトリック教会から独立し、世俗権力を確立する。それは同時に、官僚制常備軍という新しい手段によって、地方に割拠していた封建諸侯の権力をうばい、一元的な権力を確立する過程でもあった。

この近代国家が市民革命をへて、ネーション(民族)を基本的単位にしたネーション・ステート(国民国家)に再編成される。国語と国民文学、また国民的な文化と生活様式を共有する人々が国民を形成していく運動や主張がナショナリズムである。

こうした国民国家規模の統一は、封建的拘束から自由に経済活動をいとなむことをもとめていた新興ブルジョワ階級に支持され、ヨーロッパ全域で進行した。

III

世界的広がり

ヨーロッパ内部で成立した近代国家とそれを単位とする国家間関係は、勢力均衡の国際関係としてあらわれたが、アジア、アフリカなどの非ヨーロッパ世界に対しては植民地帝国として実力をむき出しにした支配—被支配の垂直的な関係を構成した。この「西欧の衝撃」が日本を代表とする諸国を防衛的な近代化にむかわせ、上からの急速な近代国家の形成にかりたてたのである。

第2次世界大戦後の世界では、70余りの諸国が欧米列強と日本の植民地支配から独立を達成した。現在では世界の大多数の人々がいずれかの国家に所属し、国際連合には約190の国家が加盟している。

そこには、日本やフランスのような国民国家だけではなく、アメリカ合衆国、カナダ、スイスのような連邦国家もふくまれている。

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