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項目構成
プロローグ; 磁石の歴史; 磁石の原理; 磁石の種類と特性; アルニコ磁石; バイカロイ、クニフエ、クニコ磁石; 鉄-クロム-コバルト磁石; 白金コバルト磁石; フェライト磁石; マンガン・アルミニウム・炭素磁石; 希土類磁石; フェライト系ボンド磁石; サマリウム系ボンド磁石; MQ型ネオジム系ボンド磁石; 超伝導永久磁石; 超伝導永久磁石の着磁; 永久磁石の用途; スピントランジスター; 磁性体中のキャリア
さて次に、不対スピンをもつほかの原子をさがしてみると、希土類金属(ランタンからルテチウムまでの15元素)があることがわかる。これらは3d軌道でなく、4f軌道に不対スピンの電子をもつ。4f電子は外界の影響からまもられているから、磁気の点からみれば、すぐれた磁性をもつはずで、高性能の磁石が製作できるはずである。 昔は希土類金属を精製する技術がなく、高価な金属であったので、磁石に利用されていなかったが、1970年代になると、希土類金属を安価に製造する技術が発展し、同時に希土類金属の磁性の研究が進展し、これらをあわせて、新しい4f金属系の強力磁石がぞくぞくと発明されるようになった。 これらの中で実用的に成功したものがサマリウム磁石およびネオジム磁石であり、これらが今日の強力磁石の主流となっている。 → 希土類元素
磁石に要求される基本的な磁気特性は、磁化曲線の第2象限すなわち減磁曲線でしめされる。この曲線上で重要な点は、残留磁化、保磁力、最大エネルギー積である。 このうち磁石の性能は、まず最大エネルギー積の値によって評価される。磁石を応用する場合、その動作点が最大エネルギー積の単位と一致するように設計されねばならない。最大エネルギー積の単位は、メガガウスエルステッド(単位記号はMGOe)でしめす。 また、直接磁場を利用するには、残留磁化が大きいことが必要である。残留磁化は、磁化の飽和状態から外部磁場を0にしたときの磁化をしめし、単位はガウス(記号はG)でしめす。 さらに外界の磁場、振動などによって劣化しないためには、保磁力が大きくなければならない。保磁力は、磁化の飽和状態から外部磁場を0をこえて逆方向にして増加させるときに、磁化が0になるときの磁場の強さで、単位はエルステッド(記号はOe)でしめす。以下に各種の磁石材料およびその磁石特性をのべる。→ 磁気
合金の成分は、アルミニウム、ニッケル、コバルト、銅、チタンなどである。アメリカ合衆国ではアルニコ、イギリスではアルコマクス、ドイツではエルジットなどの名称で工業化されている。 アルニコ磁石は20世紀の初めに発明され、20世紀半ばまで、磁石の主流であったが、そののちフェライト磁石や希土類磁石においこされて、今日では衰退期にはいっている。しかし耐熱性がよい、劣化が少ないなどの特長から、今日なお特殊な用途に利用されている。 同じアルニコ磁石にも多種類あるが、その磁石特性は残留磁化1万(G)、保磁力1000(Oe)、最大エネルギー積6(MGOe)程度である。製造法は鋳造法、粉末焼結法が利用され、機械的硬度が大きく、切削、圧延などが困難という欠点がある(→ 焼結)。
バイカロイは鉄、コバルト、バナジウム合金、クニフエは鉄、ニッケル、銅合金、クニコはコバルト、ニッケル、銅合金である。これらの磁石は圧延性があるので特殊用途に利用されている。磁石特性としては、残留磁化6000(G)、保磁力600(Oe)、最大エネルギー積2(MGOe)程度である。
合金成分は鉄、クロム、コバルトを主体とし、シリコン、モリブデン、バナジウム、チタンなどを少量ふくむ。この磁石は圧延性が良好で切削加工も容易という特長をもつ。磁石特性は、残留磁化1万3000(G)、保磁力700(Oe)、最大エネルギー積5(MGOe)程度である。
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