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項目構成
プロローグ; 磁石の歴史; 磁石の原理; 磁石の種類と特性; アルニコ磁石; バイカロイ、クニフエ、クニコ磁石; 鉄-クロム-コバルト磁石; 白金コバルト磁石; フェライト磁石; マンガン・アルミニウム・炭素磁石; 希土類磁石; フェライト系ボンド磁石; サマリウム系ボンド磁石; MQ型ネオジム系ボンド磁石; 超伝導永久磁石; 超伝導永久磁石の着磁; 永久磁石の用途; スピントランジスター; 磁性体中のキャリア
以上のように、超伝導体の磁石の機構は、ふつうの磁石とちがうので、着磁方法もちがっている。 まず、リング形状の超伝導磁石についてのべよう。この場合は第1種、第2種いずれの超伝導体も利用できる。リングに対して直角に、臨界磁場直下の外部磁場を印加すると、磁束は超伝導体中に進入せず、磁束はリングの穴の空間を貫通する。これによってリングには、超伝導電流がながれる。この状態で外部磁場を切ると、リングの穴を貫通している磁束はそのまま維持され、これによってリングは永久磁石となる。 次に、円柱状の第2種超伝導体を着磁する方法をのべる。この場合は上部臨界磁場以下で、なるべく高い外部磁場をかけると、円柱に磁束が貫通したまま超伝導が保持される。ここで外部磁場を切ると、円柱に進入した磁束はピンどめされてのこり、これによって円柱は永久磁石となる。
磁石の用途は、各種エレクトロニクス製品、OA、FA機器、モーター、アクチュエーター、電気自動車、磁気浮上列車(→ リニアモーターカー)、放射光装置のアンジュレーター、ウィグラー、自由電子レーザーなどの機器、医療用のMRIなど広範にわたっている。 高級磁石が利用される分野の比率は、年代によってことなるが、現在ではVCM(ボイスコイルモーター:CDプレーヤーなどにつかう)54%、モータージェネレーター17%、MRI11%、AD機器5%、そのほかとなっている。 特殊用途として、磁気記録、磁性流体、磁気トナーインク、磁気軸(→ 軸受)、磁気カード、磁気分離機なども磁石の応用ということができる。
半導体をまったくつかわず、磁石とそのほかの金属のみで構成される新型のトランジスターが、新しいデバイスとして注目されている。 磁石応用の新型トランジスターは、現在の半導体トランジスターにくらべ、すぐれた特性をもつ。たとえば、集積度は現在の100倍と巨大であり、スイッチングタイムは1ナノ秒と短い。これはさらに不揮発性メモリー、ロジックIC、LSIへと拡張され、その結果、新型コンピューター、新情報システムへと発展する可能性がある(→ 集積回路)。
半導体においては、その中の電流キャリアとして電子と正孔を考える。ところが磁性体においては、従来磁性のみに着目して、電流キャリアについて無関心であった。しかし最近になって、磁性体の電流キャリアとして、アップスピン電子とダウンスピン電子の2種類を考え、その挙動によって特殊な電磁気機能があらわれるとする新発想が展開している。これを2電子モデルといい、このようなスピン電子に着目した技術全般をスピントロニクスという。
磁石を応用したトランジスターの構造は、白金コバルト磁石の薄膜の上に、非磁性の金の膜をつけ、その上にパーマロイ合金膜をつけた微小デバイスである。 磁石をエミッターとし、パーマロイをコレクターとし、中間の金をベースとして回路をつくれば、バイポーラートランジスターと同じ構造になる。すなわち磁石からのアップスピン電子が金層に注入され、ライフタイムの間にエミッター層に到着し、ここでコレクター層がアップ磁化のときにのみコレクター側に電子が進入し、ダウン磁化のときは、反対の電子流となる。これによってトランジスター作用が出現する。
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