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二十四節気のひとつ。太陽が黄道上の黄経0度の点である春分点を通過する瞬間をさすが、一般には春分の時刻をふくむ日のことをいう。この日の太陽は真東からのぼって真西にしずむため、昼夜の長さがほぼひとしくなる。旧暦(→ 暦の「日本の暦」)では春分をふくむ月を2月としていたため、2月中ならばどの日でも春分となったが、現行の新暦では3月21日ごろ(閏(うるう)年には20日)に一定している。戦前は、大祭日のひとつである春季皇霊祭だったが、戦後、国民の祝日となった。
春分の日と前後3日をあわせた7日間が春の彼岸という。「暑さ寒さも彼岸まで」といわれるように、この日からしだいに陽気が春らしくなり、本格的な農作業の季節をむかえた。春分や秋分に近い戊(つちのえ)の日を社日(しゃにち)とよび、中国では農耕の節目として重視され、春の社日に五穀(イネ、ムギ、アワ、マメ、ヒエ)の種子をまつって豊作を祈願し、秋には初穂をそなえて実りをいわった。日本でも、社日さまといって農耕の神がおとずれる日として餅をついていわう地域もあった。
彼岸には彼岸参りといって寺や墓にまいり、先祖の追善供養(→ 供養)をおこなう風習がある。また、「彼岸の牡丹餅(ぼたもち)やったり取ったり」といわれ、かつては春の彼岸には秋と同様にぼたもちや団子をつくって親戚や近隣などと贈答しあった。彼岸は到彼岸(梵語(→ サンスクリット)のハラミタ)の略語だが、極楽往生(→ 極楽)を祈願するだけでなく、民間では先祖祭りとしての意味あいも濃厚にふくまれていた。 彼岸は古くは時正ともよばれ、最初の日を彼岸の入り、真ん中の春分の日を中日、最後の日を彼岸の明けといい、これがおわると彼岸過ぎといった。
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