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日本仏教の1宗派。真言密教、真言陀羅尼(だらに)宗などともよばれる。806年(大同元)空海が中国密教を日本につたえ、816年(弘仁7)高野山に金剛峰寺開創のころ、宗派として独立した。最澄が天台宗につたえた密教を「台密」とよぶのに対し、「東密」とよばれる。
大日如来を本尊として崇拝する。日常の人間の言葉を廃して、大日如来の言葉すなわち真言を直接きき、身(体)・口(言葉)・意(心)のすべてにおいて大日如来と一体化することで、現世における成仏(即身成仏)が可能となると説く。そして真言をきくことができるかどうかはその人の心のあり方によってちがうとし、空海は人の心のあり方を10段階の住心にわけた(→ 十住心論)。 根本聖典は「大日経」と「金剛頂経」で、理論的教義だけでなく、実践面を重視する。また、大日如来を中心として周囲に諸仏を配した曼荼羅によってあらわされる宇宙観をもつ。真言宗では、密教の伝統は、大日如来が金剛薩埵(さった)にさずけた法が、竜猛(りゅうみょう:竜樹の密教名)、竜智、金剛智、不空、恵果そして空海へとつたえられたとし、この8人を「付法の八祖」とよぶ。
中国で密教の奥義を皆伝されて帰朝した空海は、京都の高雄山寺に住したのち、高野山に金剛峰寺、つづいて京都に東寺をひらいた。空海はこれらを根本道場として真言宗の高揚につとめ、ひろく社会的・文化的活動もおこなった。真言宗は平安時代を通じてさかえ、教理・儀式・仏教芸術などの各方面にも大きな影響をおよぼした。また、実慧(じつえ)、真済(しんぜい)、真雅、真如といった高僧が多くでて、空海没後もその遺志をよくうけつぎ、真言宗の発展につとめた。 しかし、真言宗の急進的改革をめざした覚鑁が高野山や東寺と対立して根来(ねごろ)山を本拠とすると、真言宗は覚鑁の流れをくむ新義真言宗と従来からの古義真言宗の2つに大きくわかれた。古義真言宗では大日如来自身(本地身)が説法するとする本地身説法を説くのに対して、新義真言宗では大日如来が衆生に説法するためにとった加持身が説法するという加持身説法を説くのが大きな違いである。 新義真言宗はのちに長谷寺を中心とする豊山(ぶざん)派と智積院を中心とする智山(ちざん)派にわかれた。古義真言宗は、仁海のたてた小野流と寛朝の広沢流の2派にわかれたのを皮切りに分裂をくりかえし、十二流、三十六流をかぞえるにいたった。現在、高野山真言宗をはじめとして、山階(やましな)派、醍醐(だいご)派、御室(おむろ)派、東寺派、泉涌寺(せんにゅうじ)派など約30派がある。
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