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本来はフランスの人々の料理のことであるが、世界各国でのフランス風料理もふくめていう。フランス料理は西洋料理を代表する料理で、国際的な会合などの正式な食事もフランス料理の献立でおこなわれる。
料理をふくめ、フランスの生活や文化の基礎は、前8~前1世紀にこの地を支配したケルト人と前1世紀半ばから統治したローマ人、さらに、4、5世紀ごろに移住してきたゲルマン系フランク族によって形成された。さらに11世紀からの十字軍の遠征により、香辛料をはじめ各地の産物が到来し、フランスの料理の幅がひろがった。 フランス料理が大きく発達したのは、16世紀にイタリアのカトリーヌ・ド・メディシスがフランスのアンリ2世と結婚し、フランスへやってきたときからである。当時のイタリアはヨーロッパで最先端の料理文化をほこっており、カトリーヌはイタリアから多くの料理人をつれ、料理や食事作法をフランスにもたらした。これをきっかけにフランスの宮廷料理が発達し、とくにルイ14世の時代にはベルサイユ宮殿で豪華な宴が盛んにひらかれた。 1789~99年のフランス革命以後、職をうしなった宮廷料理人がレストランをひらくことによってフランス料理が庶民のものとなった。また、19世紀には、近代フランス料理の祖とよばれるマリー・アントワーヌ・カレームやユルバン・デュボアが登場し、フランス料理の技術や献立の整理など近代フランス料理の基礎を形成した。フランス料理の献立をコースとしてサービスする方法を考案したのは、デュボアである。さらに19世紀末には料理人オーギュスト・エスコフィエによって体系化され、世界各国にフランス料理がひろく普及し、それぞれの国の料理にも大きく影響をあたえた。
フランス料理の特徴は、各地の豊富な素材とすぐれた料理人や技術、食べ物に対してこだわりの強い国民性、さらに、料理を重要な文化としてあつかう国家の姿勢によってなりたっている。 フランス特有の素材には珍味とよばれるものがある。とくに有名なのは、ガチョウの肝臓を肥大させたフォアグラ、セイヨウショウロというキノコの一種であるトリュフ、食用カタツムリのエスカルゴで、その他、各地の特産品をもちいた料理がある。 フランスは穀物、野菜、果物などの自給率の高い農業国であり、くわえて大西洋側のオマールエビやカキなどの豊富な海産物と南フランスの地中海側の海産物、さらに、丘陵や山岳地帯の鳥獣肉類や乳製品、河川から供給される淡水魚など、多くのすぐれた食材にめぐまれている。また、良質のワインやチーズもフランス料理の発展に大きく寄与している。 さらに、豊富な食材をもちいてすぐれた料理をつくる料理人を、フランスの伝統的な文化の担い手として国が認証し、フランス最優秀職人として指定する制度がある。フランス料理の幅の広さは高度の調理技術と調味法によるものであるが、積極的に世界各国の材料や調理法をとりいれることによって、つねに新しい料理に挑戦する点に特徴がある。1960年代に登場した、ヌーベル・キュイジーヌもその一例であるが、これは、日本料理をヒントにして素材を生でつかい、脂肪の使用量をへらした軽い料理である。 また、何百種ともいわれるソースが料理の種類を増し、味の多様性をつくるのに大きな役割をはたしている。
フランス料理の献立は料理をだす順序(コース)がきめられている。正式の献立は日本では正餐(ディナー)とよばれ、そのコースをフルコースという。正式のフルコースはオードブル、スープ、ポワソン(魚料理)、アントレ(肉料理)とサラダ、ソルベ(シャーベット)、ロティ(ロースト、肉の蒸し焼き料理)、アントルメ(デザート)、チーズ、果物、コーヒーの順で、アントレが主菜である。しかし一般のフルコースの場合はアントレとロティのどちらかを省略することが多く、このときにはソルベをポワソンの次にだす。また、簡単なコースでは魚料理か肉料理のどちらか一品だけを主菜にしている。 オードブルは前菜のことで、食欲を増進させるための軽い料理をいう。キャビアなどのカナッペ、カキのカクテル、魚の酢漬けなどの冷製とコキール(グラタンの一種)、串焼きなどがある。 スープは澄んだスープのコンソメと、濃度のあるポタージュ・リエ(日本では一般にポタージュ)とがある。ソルベは口直しのためにだされる。チーズはデザートであって、フランス人には欠かせないメニューとなっている。各地の豊富なチーズから3~4種類えらび、適度の熟成のものをたのしむ。 これらの料理をさらに楽しむために食前酒(アペリティフ)や食後酒(ディジェスティフ)が供される。食前酒にはシェリー、ベルモット、マデイラなど、食後酒にはブランデー、ウィスキー、リキュールなどがもちいられる。
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