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大型の船舶を建造することを造船といい、ドックや大型クレーンをそなえた専門の工場を造船所という。とくに大型の外航船などは、船内で生活する時間が長く、船舶は職場であるとともに、居住の空間でもあり、小さな社会といってもよい。そのため航行に必要な装置だけでなく、快適な船上での生活に必要な設備が用意される。
木造船の時代は、海岸の適当な場所に船を固定したり、進水のときに便利なように回転輪や足場をくんで造船作業をおこなっていた。
ローマ近くのネミ湖からひきあげられた古代ローマの沈船は、暴君ネロの伯父カリギュラ帝の時代、紀元40年ごろの製作と推定され、総トン数は約1100トンで、当時としては大型船で、船内は全面にタイルがはられ、給排水設備や金属製のポンプも装備していたという。実物は、1944年にファシズム政権が崩壊して、イタリアを占領していたドイツ軍が撤退するときに、火災で焼失してしまったが、装備品がのこっていて、皇帝用の豪華客船だったと考えられる。 しかし、古い時代には造船技師という専門職種はなく、大型船でも、臨時の施設がつくられる程度だった。船主と相談しながら船大工の棟梁(とうりょう)が指揮して、建造にあたっていた。専門の造船所といえる施設が登場するのは、15世紀の末になってからで、設計図を作成して建造するようになったのは、16世紀の末ごろといわれる。
完全に図面で設計した形状にしたがって船舶が建造されるようになったのは、19世紀以降に鉄鋼をつかった船が登場してからである。鋼鉄を材料として加工していく場合は、木造船とちがい各部分の形状を正確に決定してからでないと、製作にとりかかれない。また、鋼鉄船の場合は、完成までに多数の職種が共同し、大規模な設備も必要とするようになった。
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