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製鉄所の高炉で生産される鉄は、銑鉄とよばれ、大量の炭素をふくんでいて、そのまま鋳造の原料にはなるが、もろい製品しかできない。そこで炭素の含有量をさげ、靭性(じんせい:粘り強さ)や強度を高くするのが製鋼という工程である。→ 製鉄 一般には酸素で炭素を燃焼させて含有量をさげるが、本質的にはどのような方法で銑鉄から鋼を製造するにしても、鉄の中の過剰な炭素などの不純物を除去するのは同じである。
ふつう鉄というときは、元素としてのFeをさすこともあれば、さまざまな鉄鋼材料の場合もある。鉄と炭素との合金は、大きく鋳鉄(銑鉄)、錬鉄(鍛鉄)、鋼などに分類される。工業的に分類するときは、炭素含有量を基準にして、鋳鉄は1.7~6.9%だが、実用では2.5~4.5%の範囲のものがつかわれ、鋼は0.035~1.7%、錬鉄は0~0.1%、鋳鋼は0.15~0.50%である。 純度の高い鉄は、針金につかわれるように、簡単に変形することができる。鋼は、「はがね」とも読むように、鍛造や焼入れによってかたくなるため、昔はおもに刃物の材料につかわれた。鋳鉄は、その名のとおり、鋳造で鋳物をつくる材料になるもので、かたくてもろいが、錬鉄や鋼の融点1400°C程度に対し1130°C前後と低く、鋳型で成形するには適している。
炭素だけをふくんでいる鋼は、とくに炭素鋼といい、マンガン、ニッケル、タングステン、コバルト、バナジウム、アルミニウムなどの元素がくわわったものを合金鋼、比較的純度の高い鉄に炭素以外の元素がくわえられているものを合金鉄という。炭素以外の元素を大量にふくむ鉄系の合金は、全体をフェロアロイといい、フェロクロム(→ クロム)、フェロシリコン(→ ケイ素)など主要にくわえられる元素の名前がつけられる。 そのほかに、製鋼の方法によって、転炉鋼、平炉鋼、用途によって工具鋼、構造用鋼、脱酸の方法によってつくるリムド鋼、キルド鋼などというように、多数の分類方法がある。
製鋼のむずかしさのひとつに、鋼の融点が約1400°Cと高いため、通常の燃料や炉材を使用できないことがある。この困難を克服するために開発されたのが平炉である。1856年に開発されて普及したが、日本では1960年代に姿をけした。 平炉は炉内の燃焼につかわれる燃料ガスと、空気を予熱する蓄熱法により、一定の高温で運転できる。蓄熱法では、炉から放出される燃焼ガスは、大量の煉瓦(れんが)をつみあげた一連の蓄熱室におくられ、もっている熱をほとんど煉瓦にあたえる。つづいて炉内の燃料気体の流れが逆転し、燃料と空気が蓄熱室をとおり煉瓦によって熱せられる。この方法により平炉を1650°Cの高温にすることも可能である。
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