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19世紀後半に開発されたベッセマー法では、ベッセマー転炉という西洋ナシ形の高い炉を使用する。この転炉は、横にかたむけ、湯飲みからそそぐようにして溶解した鋼を出し入れする。回転するので転炉だという誤解があるが、転炉の意味は、転換炉すなわち銑を鋼に転換するということである。→ ベッセマー
LD法でもベッセマー法と同じ形の転炉をつかう。しかし、空気ではなく、高純度酸素を高圧で上部からふきこむ。炉に溶銑がいれられ、炉が直立の姿勢にもどると、水で冷却されたランス(酸素槍)が炉内におろされる。ランスの先端は原料から約2mの位置にあるが、原料と先端の距離は、必要に応じて調整される。この先端から大量の酸素を高速で炉内にふきこみ、高温で撹拌し、炭素やほかの不純物を酸化して銑鉄を鋼にかえる。炉の上部から純酸素をふきこむので、純酸素上吹転炉ともいう。 LD転炉は、1952年にオーストリアのフェスト社のリンツLinz工場で最初の商用炉が、翌53年にオーストリアのエアムク社のドナビツDonawitz工場で2号商用炉が稼働したため、2つの工場の頭文字をとってこの名がつけられた。この精錬工程に要する時間は50分以内で、1時間で約300tの鋼が製造できる。 1970年代になると、攪拌力(かくはんりょく)を強めるために炉の底部から酸素をふきこむ純酸素底吹転炉が開発された。純酸素底吹転炉では溶銑の上部の温度があがりにくいなどの欠点があったため、80年代には純酸素上底吹転炉が開発され、普及した。
炉によっては、火力ではなく電気で鉄を融解し精錬する。このような炉は、電気炉あるいは略して電炉という。精錬状態を厳密に調整でき、不純物が混入しにくいので、ステンレス鋼や精密な成分調整を要する合金鋼の製造に真価を発揮している。 電気炉の種類には、抵抗体に電気をながして発熱させるもの、電極と原料の間にアークをとばして発熱させるもの、電磁誘導をつかうものがある。 近年の精錬作業は、温度などの条件がコンピューターで自動的に管理され、気密性の高い炉でおこなわれる。工程の初期には、高純度の酸素がランスから注入され、炉内の温度を上昇させ鋼の精製に要する時間を短縮する。炉内に注入される酸素量は、常に厳密に制御されているので、不要な酸化反応をおさえることができる。 ふつうは電気炉の装入物の大部分は屑鉄で、使用前に成分分析したうえで分類する。これは、屑鉄中の成分が鋼の性質を左右するからである。屑鉄内の炭素などの不純物の除去を促進するため、少量の鉄鉱石と乾燥した石灰などもくわえられる。
炉に原料が装入されると、電極が原料の表面近くにさがり、電極から原料にアーク放電し、その金属をとおって次の電極に放電する。その際に原料内の電気抵抗によって熱が発生する。この熱は非常に高温で、急速に金属を溶解する。
別名で高周波溶解炉といい、コイルの中に原料をおいて、中空コイルに高周波電流をながし、コイルの内側においた導電体の原料に渦電流を発生させて加熱する。短時間で高温になり、熱効率も高いが、高周波の電源、コイルの冷却装置、異常放電の防護設備などが必要で、大量に金属を溶解するのはコストがかかる。そのため、金属の研究用に真空炉にしてつかったり、高級な材料の製造につかうことが多い。
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