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項目構成
オーステナイトは鋼の中にみられる組織で、g鉄に1.7%以下の炭素などの元素がとけたものである。炭素鋼では、725°C以上の温度で安定して存在している。ニッケル、マンガンなどをふくむ鋼では常温でも存在し、やわらかくてねばり強い。
パーライトは、鋳鉄と鋼にみられる組織で、フェライトとセメンタイトが層状になったものである。オーステナイトをゆっくりと冷却していき、727°Cでフェライトとセメンタイトが同時に結晶になった共析晶で、0.85%の炭素をふくむ。斜めから光線をあてると、真珠(パール)のようにかがやいてみえるのでパーライトという。フェライトよりもかたく、セメンタイトより延性にとむ。
オーステナイトを急速に冷却すると、針状のきわめてかたい組織ができるが、これをマルテンサイトという。元素の成分はオーステナイトと同じだが、原子の配置が連続して変化することで硬度が増加する。この組織を加熱していくと、セメンタイトとフェライトにかわる。
鋼を加熱すると、フェライトとパーライトはオーステナイトに変化する。オーステナイトには、鋼の中で遊離した炭素を溶解する性質がある。鋼をゆっくり冷却すると、オーステナイトはフェライトとパーライトにもどるが、急速に冷却すると高温で安定な組成がそのまま凍結されて、原子の配置がずれたマルテンサイトに変化する。 熱処理によって鋼を硬化する工程は、古くからの言葉では焼入れという。鋼をオーステナイトの生成温度である750~800°C程度に加熱し、水や油につけて急速に冷却すると、マルテンサイトを生成する。この処理で大きな内部応力(→ 応力)による変形がおこるが、鋼を低温で再加熱する焼戻しや焼なましによって、応力を減少できる。焼戻しすると、マルテンサイトの一部はセメンタイトとフェライトになり、硬度と強度は低くなるが延性とねばりは増加する。 熱処理工程の目的は、フェライトの中のセメンタイト粒子の量、大きさ、形、分布を調整して、鋼の機械的な特性を向上させることにある。
基本の熱処理をつかって、多くの工程が実用化されている。冶金学者は、オーステナイトからマルテンサイトへの変化が、冷却工程の後半でおこることや、この変化につづいておこる体積の変化により、急激に冷却した場合は、金属にひびが入ることを発見した。とくに焼入れでは、冷却する速度が材料の性質に大きな影響をあたえる。ひび割れを防止するため、これまでに3つの工程が開発されてきた。 タイム・クエンチング法は時間焼入れともいい、一定の温度にしてある焼入れ溶液に、熱した鋼を一定の時間ひたして焼入れをおこなう方法である。 マルテンパー法は、マルテンサイト時効(→ 時効)ともいい、鋼を同じようにマルテンサイトが生成しはじめる温度よりやや高い温度にした冷却溶液にひたし、材料全体がほぼ同じ温度になってからとりだし、マルテンサイトが生成する温度まで空冷する。鋼がマルテンサイトを生成する温度は、組成によって約288°Cから室温までである。 オーステンパー法では、マルテンサイトを生じない温度で、組織の変化がおこる温度に維持されている金属か、塩の溶融液に鋼をいれ、その中で変化を完全に終了させてから最終冷却をする。
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