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項目構成
第4は運動視差である。視差は両眼視差ばかりでなく、目の位置が移動することによっても生じる。車窓から外をみるとき、遠くの山はほとんどうごかないのに、近くの建物や電柱はさっととおりすぎていく。このような運動による視差も奥行き知覚の手掛かりとなる。ほかにも、手前の物体によって奥にある物体がかくされるような事物の重なり合い、手前の物はくっきりとみえるのに対して遠くの物は少しぼやけてみえるという明瞭度の変化、まっすぐむこうにのびていく電車のレールをその中間にたってみると、それが1点に収れんしていくようにみえ、そこにいちじるしい奥行き感を感じるパースペクティブ性(これは透視画法として絵画に利用されてきた)など、多様な要因が奥行き知覚にははたらいている。→ 遠近法
しかしながらギブソンは、運動視差やパースペクティブ性とむすびついた「きめの勾配(こうばい)」を奥行き知覚の重要な要因として強調する。ギブソンによれば、われわれは地表面にはりついて生きている動物ではなく、地表面の上にある高さをもって立つ動物である。それゆえ、ここからむこうへと奥行きをもってひろがっている地表面は、手前があらく、遠くにいくほど細かくなる「きめ」をもって知覚される。ギブソンはこれを「きめの勾配」とよび、これが奥行きの手掛かり情報としてわれわれの奥行き知覚をもたらしているのだと考える。しかも、地表面に立つわれわれはつねに動きまわっているから、その運動視差の中で「きめの勾配」もめまぐるしく変化し、そこにパースペクティブ性も重なってはたらいているにちがいない。 ギブソンのこの考えは、飛行機が滑走路に着陸するときに、操縦席の人間(あるいはそのテレビ・モニター)には100m単位の距離標識がきめの勾配をもってみえ、運動視差によってそれの手前に近づいてくる速さがちがい、しかも滑走路全体がパースペクティブ性をもってとらえられる事実に端的にしめされる。 両眼視差や両眼輻輳の要因は両眼視の条件でのみはたらくものであり、われわれの奥行き知覚は単眼でもじゅうぶんに得られるので、ギブソンのいうきめの勾配や重なりなどの手掛かり情報が奥行き知覚においてはより本質的な要因かもしれない。
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