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海洋地域を汚染する原因には、船舶による不法投棄(→ 海洋投棄)や生活排水、工場廃水、海難事故による石油の流出など、さまざまな原因がある。→ 水汚染
海洋中の汚染物質は、食物連鎖をとおして海洋生物の体内に蓄積される(→ 生物濃縮)。たとえば水俣病は、魚の体内に蓄積された有機水銀によってひきおこされた公害病である。現在、クジラやアシカなどの体内からは高濃度のDDTやPCB、ダイオキシンなどが検出され、大きな問題となっている。 海洋の汚染は、直接の海水汚染だけではなく、沿岸海域での大量の汚濁物質の沈殿、赤潮など有害なプランクトンの大量発生など、さまざまな影響をあたえる。もっとも重要なことは、海は一つの系として連続しており、汚染は全世界的に拡散していくことである。
不慮の事故による原油の大規模な流出は、沿岸水域の汚染の大きな原因のひとつである。原油輸送用の大型タンカーの事故による原油流出は、とりわけ大規模であるが、それ以外にも多くの船舶からの廃油が流出し、また沖合での石油掘削も汚染の重大な発生源になる。ある推定によると、輸送される原油の100万tにつき1tは流出しているという。 これまでの大きな原油流出事故には、1979年にトリニダード・トバゴ沖でおこったタンカーのアトランティックエンプレス号の衝突・火災事故(約28万7000tの原油が流出)や、同じく79年にメキシコ湾でおこったイキソトックⅠ油田の事故(約52万t)がある。アメリカにおける最大の環境汚染をもたらした原油流出事故は、89年3月にアラスカのプリンスウィリアム湾でおこったタンカーのエクソン・バルディーズ号の事故で、3万7000t余りの原油が流出した。原油は強風のもと、1週間で6700km²の海面に広がり、湾の全域にわたる生態系と漁業資源をおびやかした。→ バルディーズ号事件 2002年11月にはスペイン北西部ガリシア沖でバハマ船籍のプレスティージ号が積荷の7万7000tの重油をつんだまま水深3600mの海底に沈没した。沈没した際に流出した約1万t以上の油はスペインやポルトガルの海岸に漂着し大きな被害をもたらした。さらに油は流出をつづけており、史上最大の環境汚染になるものとみられている。 事故以外にも、1980年代のイラン・イラク戦争および91年の湾岸戦争によるペルシャ湾での大量の原油流出と油田火災にともなう汚染は、とくに海鳥や海洋生物に膨大な被害をあたえた。
冬の日本海は海難事故が多いが、1997年(平成9)1月2日未明、島根県隠岐島の北北東約106kmでロシア船籍のタンカー「ナホトカ号」(1万3157トン、乗組員32名)が浸水。ナホトカ号は長さ約180mの船体が2つにおれ、同船につまれていたC重油約6000キロリットルが流出した。船首部分は、周辺に重油を流出させながら、福井県三国町(現、坂井市)の海岸に接近した。これにより、福井県、石川県、富山県などでは、広範囲にわたって重油が漂着して、多大な被害がでた。→ ナホトカ号事件
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