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友禅染の略で、文様染の一種。その由来は、江戸時代の元禄年間(1688~1704)、京都にすむ宮崎友禅によって染色技法が創始されたことからでた名称とされている。しかし、友禅染の防染糊(のり)をもちいる技法は、友禅がはじめてではなく、それ以前からおこなわれていた。したがって友禅とは、染色技法というより、江戸時代の元禄年間に流行した、防染糊をもちいて多彩に染めあげた、華麗な小袖模様をさすといえる。
宮崎友禅の出生については、あまり知られていない。はっきりしているのは、天和年間(1681~84)のころ、京都の知恩院(ちおんいん)の門前町にすんでいて、扇に絵をかく、いわゆる扇絵師として活躍していたことと、晩年、加賀金沢にうつりすみ、この地で没したことぐらいである。 友禅染の名称でよばれるようになったのは、宮崎友禅が当時の着物の図案見本帳ともいうべき「ひながた」を多数えがいたからではないかといわれる。ひながたとは衣装雛形(ひながた)のことで、今のスタイル・ブックにあたり、おそらく、扇絵師の友禅が、呉服屋から依頼され、多数の小袖模様をえがいたのであろう。したがって、現代風にいえば、宮崎友禅は「染色工芸家」ではなく、「着物のパターン・デザイナー」といえる。
友禅の魅力は、豊富な色彩と自由な文様表現にある。日本人のこのむ四季の花や風物を、多彩な染料をもちいて、自由に表現できるのが友禅の特徴である。江戸時代の封建社会(→ 封建制)にあっても、友禅は、絹が禁じられると木綿に染め、華やかな色が禁じられると地味な色でまとめあげた。その結果、深みのある色彩や自由な文様表現など、技術的にはますます進歩していった。こうして友禅は、時代をこえ、多くの人々に愛好されてきた。
友禅の種類は、技法上から「手描(てが)き友禅」と「型友禅」とに大別される。手描き友禅には、「糸目友禅」と「無線友禅」がある。糸目友禅は、筒にいれた防染糊で文様の輪郭を糸状の細い線でえがいていく。無線友禅は、糸目をもちいずに染料で文様を筆でえがいたものである。一方、型友禅は、型紙をもちいて染めるもので、「写し友禅」と「摺(す)り友禅」とがある。写し友禅は一般的な型友禅で、染料と防染糊をまぜた「色糊(写し糊)」をへらでしごきながら染める。摺り友禅は、生地に型紙をあて、はけをもちいて染料を摺りこむ技法である。
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