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雨や直射日光などから建築物の内部空間をまもるため、建築物の上部にもうけられる覆い。屋根は建築物の外観ではもっともめだつ部分であるため、雨露をふせぐといった実用的な役割にくわえ、建築物の性格をあらわす象徴的な意味ももっている。
古代ギリシャやローマの神殿では、神殿の正面にメジメントとよばれる三角形の屋根形をもうけ、これが神殿の象徴性をしめす重要なデザインになっている。また、古代ローマ建築で発明された半球ドームの屋根(→ 教会建築)は、教会などの大建築の象徴性を表現する方法として、現代でもしばしば利用されている。
日本の木造住宅の屋根は、切妻造(きりづまづくり)、寄棟造(よせむねづくり)、入母屋造(いりもやづくり)の3種類を基本とする。 切妻造は、屋根の頂上部である棟から左右にくだる2つの屋根面で構成される。屋根が外壁面とまじわる部分にできる3角形を妻とよび、妻のある側面からみると、屋根を妻で切ったようにみえるので、切妻造の名がある。 寄棟造は、4方に屋根面が広がる形で、棟に4つの屋根面がよりあつまるため、寄棟造という。 入母屋造は、切妻造と寄棟造が合体したものである。切妻造の妻側面にも屋根をもうけ、4方に屋根をめぐらすが、側面の屋根は棟までのぼらず、3角形の屋根の妻がみえる。
古墳時代には、切妻造の屋根が豪族居館(→ 豪族居館跡)を象徴した。庶民の住まいである竪穴住居が円錐形に屋根を広げ、屋根面が頂上部にあつまる寄棟だったため、それとは反対の切妻の屋根が権力を象徴する役割をはたしていた。 しかし、奈良時代に中国から伝来した木造建築では、正面からみたとき、横方向への屋根の広がりが認識できる寄棟造の方が、格式が上とされていた。唐からの渡来僧、鑑真ゆかりの唐招提寺金堂の屋根が寄棟造であるのも、それをものがたっている。 宮殿や貴族住宅の寝殿(→ 寝殿造)の場合には、古墳時代以来の屋根の妻をみせる切妻造の象徴性と、奈良時代につたえられた寄棟造の正面形式の両方を兼備した入母屋造が、いちばんこのまれた。日本では、寺院においても、主要な建物は入母屋造で建築されることが多い。
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