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チョウ目(鱗翅目)ヤママユガ科に属する昆虫。ヤママユガ科は、熱帯から冷温帯にかけて世界におよそ1200種が知られ、昆虫界で翅(はね)の面積が最大級の種をふくむ大型のガ類である。 幼虫はさなぎになるとき、うつくしい絹糸を口から吐いて繭をつくるものが多い。カイコの繭とともに、何種かのヤママユガ類は、その良質の糸が大昔から人類に利用されてきた。
成虫は翅に眼状斑をもつが、形は円ばかりでなくシンジュサンの三日月形や、ヨナクニサンのように三角状のこともある。触角は羽毛に似て中心軸の両側に櫛(くし)の歯状の枝があり、メスよりオスのほうがその枝がみごとに発達している。口器は退化して機能をうしない、羽化してからは食物をとらない。単眼はまったくない。
テンサン(天蚕)ともよばれる日本原産のヤママユガは全国各地に分布している。 沖縄の八重山列島にすむヨナクニサンは、世界最大級の昆虫である。九州以北の良好に保存された雑木林には、ヤママユガ、ヒメヤママユ、クスサン、オオミズアオ、ウスタビガなどが同じ地域に共存する。ウスタビガは北海道には分布せず、クロウスタビガが北海道と本州に局地的に知られている。北方性のエゾヨツメは本州以南では山にすみ、春に羽化する。後翅の大きな青い眼状斑の輝きがどんな宝石よりうつくしい。
ヤママユガの繭は、光沢のある緑色をおびた上質の絹がこのまれて、長野県などで織物用に飼育されている。ウスタビガのあざやかな草色の繭は、米や木炭をいれるわら袋の叺(かます)と似た形からヤマカマスとよばれる。東北地方ではこの繭をヤマビコとよび、子供の帽子や衣類につけて魔よけの護符にする習俗がのこっている。
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