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家庭からでる一般廃棄物や、企業からでる産業廃棄物の処理をめぐる問題。現在、廃棄物の処理主体、処理の費用、廃棄物の無害化、廃棄場などの問題が一刻もはやい解決をせまられている(→ ゴミ処理)。
現在日本では、年間約4億5000万tのゴミがでている。そして、そのゴミの総量の約9割を占めるのが、産業廃棄物である。自治体が一般家庭でのゴミの分別などを奨励しているが、本当のゴミ問題の主役は産業廃棄物である。産業廃棄物は、毎年約8400万t以上が、最終処分場にもちこまれているが、1997年(平成9)7月に改正された廃棄物処理法では、産業廃棄物は企業がみずから処理すべきことを規定している。しかし、その一方で同法はゴミの運搬と処理を業者に委託することをみとめている。しかも、業者がうけおったゴミは、排出者から切りはなされて、処理の方法については責任を問われないようになっている。当然、処理は値段のやすい業者に委託されるために、業者が不法投棄を前提に受注することもおきてくる。 厚生省が1997年2月1日に発表した数字によると、全国で過去3年間に不法投棄された産業廃棄物の総量は116万8000tにのぼり、その4分の1の約30万tが放置されたままである。
このようなゴミ問題の背景には、日本の高度経済成長によるライフスタイルの変化とそれをささえる産業の大きな転換があった。たとえば、プラスチックがでてくる以前の洗面器は、木、アルマイト、銅だったが、生活の至る所に石油化学製品が浸透してプラスチックの洗面器も登場した。プラスチックは軽いし、なによりも安価であった。プラスチック製品だけではなく、1972年(昭和47)以前に産業全般で広く絶縁体に使用されていたPCB(ポリ塩化ビフェニル)は、熱をよくつたえ電気をとおさないために、産業にとってきわめて便利なものだった。しかし、68年のカネミ油症事件の元凶となった。米ぬか油の脱臭工程で熱媒体としてつかわれていたPCBが脱臭機の破損によって油に混入、多くの中毒患者がでた。便利さの陰にひそむ危険を知らされた事件である。 高度経済成長期は大量生産、大量消費そして大量廃棄の時代だった。世の中は使い捨ての時代であって、投棄された物が人間に害をおよぼすなどとは、ほとんどの人が考えなかった。しかし、水俣病の有機水銀と同様に、南極のペンギンの体内からもPCBが検出されるようになった。大量廃棄の時代がおわり、ゴミがでたからゴミ捨て場をさがすという発想では、いたちごっこになるばかりである。現在、多くの産業廃棄物は未処理の状態でうめられている。しかし、産業廃棄物問題の中核となる考えは、ゴミの減量化、リサイクル、そして無害化であるといわれる。
産業廃棄物のリサイクル、処理に責任をおうのは企業である。製品価格に転嫁しても、それは社会的コストだと考えるべきだろう。減量化については、一般市民も大いに協力の余地がある。過剰な包装の拒否やパック商品を買わないことなども減量化をすすめることになるだろう。無害化についてはさまざまな官民の研究機関が、ローコストの処理法を開発しはじめている。 こうした動きを背景に、1995年(平成7)には容器包装リサイクル法が、98年には家電リサイクル法が制定された。前者は、市町村が回収したものを事業者がつくった施設でリサイクルする仕組みになっており、97年度からガラス瓶とペットボトルについて実施され、2000年度からは紙製容器、段ボール、プラスチック製容器も対象となる。後者はメーカーに製品の引取りを義務づけており、エアコン、ブラウン管式テレビ、冷蔵庫、洗濯機を対象に2000年度から施行される。 ただし、後者においては最高で5000円程度になると予想される費用が消費者の負担となること、前者においては回収が自治体まかせになることなど、ドイツやフランスにくらべて、メーカー側の責任負担が少ないとの指摘もある。
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