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1人当たりの国民所得が低く、多くの場合、工業化がおくれている国をさす。先進国に対する言葉で、開発途上国ともいう。
確定した定義はなく、国際機関による定義もさまざまであるが、世界銀行は1999年時の数値として次のように定義している。 (1)低所得国(LIC)は1人当たり年GNP(→ GNPとGDP)が755ドル以下の国および地域。(2)低位中所得国(LMIC)は756ドル以上2995ドル以下の国および地域。(3)上位中所得国(UMIC)は2996ドル以上9265ドル以下の国および地域。(4)高所得国(HIC)は9266ドル以上の国および地域。
また国際連合は、発展途上国の中でもとくに開発のおくれた国々を後発発展途上国(LDCまたはLLDC)と定義しており、2005年現在、以下の50カ国を認定している。 アフガニスタン、イエメン、ネパール、バングラデシュ、ブータン、ミャンマー、モルディブ、ラオス、カンボジア、東ティモールのアジア10カ国。アンゴラ、ウガンダ、エチオピア、エリトリア、カーボベルデ、ガンビア、ギニア、ギニアビサウ、コモロ、コンゴ民主共和国(旧ザイール)、サントメ・プリンシペ、ザンビア、シエラレオネ、ジブチ、スーダン、赤道ギニア、セネガル、ソマリア、タンザニア、チャド、中央アフリカ、トーゴ、ニジェール、ブルキナファソ、ブルンジ、ベナン、マダガスカル、マラウイ、マリ、モザンビーク、モーリタニア、リベリア、ルワンダ、レソト、のアフリカ34カ国。バヌアツ、キリバス、ツバル、サモア(旧西サモア)、ソロモン諸島の大洋州5カ国。ハイチの中南米1カ国。 この50カ国の多くは世界銀行の分類では低所得国にふくまれているが、低位中所得国に属している国(ジブチ、カーボベルデ、モルディブ、ソロモン諸島など)もあり、1人当たりGNPがかならずしも発展の程度をあらわしているわけではない。ただし、世界の低所得国の範囲はかなり広く、インドやパキスタンなどのように、一国全体としての経済規模は大きく、しかも国内の一部地域では発展がいちじるしい国々もふくまれる。 低位中所得国の例としては、中国、インドネシア、フィリピン、タイ、エジプト、モロッコ、ボリビア、コロンビア、ペルーなどがある。 上位中所得国としては、マレーシア、ブラジル、メキシコ、サウジアラビア、アルゼンチンなどがあげられる。 このように1人当たりGNPという指標は、あくまで第1次指標である。工業化の程度やインフラストラクチャーの整備の状況、輸出構造や貯蓄率などにまでたちいるならば、途上国はさらに多様であり、文字どおり「発展途上」にある国と、今なお発展への手がかりを模索している国とが併存しているのが現実である。
発展途上国問題が生じたのは第2次世界大戦以降のことである。戦前は宗主国による植民地政策はあったが、発展途上国問題はなかった。大戦後、旧植民地に多くの独立国が生まれたが、政治的独立は達成したものの、旧植民地時代に形成されたモノカルチャー経済などの従属的経済構造から脱し、経済自立をはかるという新しい課題が生じた。 自立的な国民経済構造を建設するために、低開発状態にある多くの発展途上国は、工業化の推進をこころみた。しかし、ただちに輸出向けの工業製品を製造できるわけはなかった。そこで工業製品の販売先を国内市場にもとめ、外貨不足の中で外国製品にかわって国産品を生産、販売しようとする輸入代替工業化が主流になった。
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