Windows Live® の検索結果
Windows Live® の検索結果 項目構成
行政という語は、きわめて多義的な概念である。そこでまず、現代における主要な用法にしたがって、おおまかに概念の分析ないし定義をおこなう。
第1に、主として憲法学、行政法学などの公法学でもちいられる概念がある。そこでは、行政とは「国家作用のなかから、立法作用と司法作用をのぞいた残りの国家作用」(控除説ないし消極説)ないし「法の規制をうけながら、現実具体的に国家目的の積極的実現をめざしておこなわれる、全体として統一性をもった継続的な形成的国家活動」(積極説)などと定義されている。 この意味の行政概念は、絶対君主制(→ 君主制)から立憲君主制ないし近代立憲民主制への移行にともない成立する。すなわち、君主がもっていた権力から、立法権が分離して議会に、司法権が分離して裁判所によって行使されることになったため、君主ないし行政府にのこされた権力が行政権となったことに起因する。 このような三権分立主義にもとづく行政概念には、権力の実質に着目する上記のような「実質的意味の行政」と、行政権を担当する行政府が有する権能に着目する「形式的意味の行政」とが存在する。両者の概念は、かならずしも一致するものではない。たとえば、政令、省令などのように、行政機関が有する立法作用は、行政立法とよばれ、実質的には立法でありながら、形式的には行政となる。 この意味における行政は、近代に成立し、権力分立主義とともに、世界的に普及していくことになる。
第2に、主として政治学においてもちいられる概念がある。三権分立における立法、行政の領域において、国民から選出された公選職公務員および彼らから構成される国家機関は、国家の意思を決定しそれを外部にしめし、かつその執行を監督統制する立場にある。これに対して、決定された国家意思を忠実に執行することが区別され、理解されることになる。 前者が「政治」となり、後者は「行政」として把握される。すなわち、行政とは、政治部門によって決定された国家意思を忠実に執行ないし具体化していく国家機関あるいは国家作用といえる。 19世紀のアメリカにおいては、多くの非公選職公務員に対して、公選された政治家が人事権をもつシステムとなっていた。公選職を志望する政党のボスのもとに多くの支援者があつまり、支援者は、そのボスの当選によって非公選職公務員の職をえ、またその官を売買することも可能であった。これを猟官制(スポイルズ・システム)という。そのため、政治的腐敗が生じるだけでなく、行政も停滞、浪費という多大な悪影響をうけていた。 そこで、公務員制度の改革が要請され、成績任用制(メリット・システム)が採用された。非公選職公務員は、全体に対する奉仕者として、政治的に中立であって、専門的知識や経験が要求され、職務を効率的かつ有効に実践しうる、職業的行政官として理解されることになる。このようにして、「執行・執政 execution」に対して、「行政 administration」が成立するのである。 この意味における行政は、現代型民主主義の成立の重要な前提条件になり、さらには、職業的行政官すなわち官僚制についての強い関心を生んだ。
第3に、イギリスやアメリカにおける行政administration概念は、公行政public administrationと私行政private administration, business administrationに区分されつつも、共通の人間的営為としての同質性をもつ。ここでもちいられる経営をふくむ行政の概念は、公私の区別をすることなく、あらゆる組織に共通する管理作用一般を意味する。 いいかえれば、組織において機械的労務を提供する人々をのぞいた、組織自体の維持、発展に責任をもつ立場の人々とその管理活動などに注目した意味である。この意味における行政は、分業化および組織化が発展してくる20世紀において、意識的にうかびあがってきた概念である。
|
© 2009 Microsoft
![]() ![]() |