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水中生活に完全に適応した爬虫類の一群。首長竜とともに中生代の海における生態系の頂点に位置していた。
終始、陸にあがることはなく、水中で胎児を出産する胎生であった。肢(あし)が変化した鰭(ひれ)をそなえ、イルカのような体形。歯が生え、カジキマグロのような長い吻(ふん)をもつ。首長竜とはちがい、陸上生物からひきついだ骨盤は、せいぜい痕跡(こんせき)をとどめるか完全に消失している。それほど水中生活に適応していた。
しかし、魚竜の出現にはいまだに多くの不明な点がある。最古の魚竜が地球上の海に姿をあらわした三畳紀初期の陸地では、いまだ大型の両生類が君臨する世界であった。しかし魚竜は、すでに出現した時点で陸上生活の痕跡や中間型を類推させる材料をもっていなかった。わかっているのは、おそらく、古生代後期に、爬虫類の一部が水中にもどっていったのではないかということだけである。
陸上生活から完全に独立した魚竜は、三畳紀中期から後期にかけて大発展し、巨大化と多様化をとげる。アメリカ合衆国のネバダ州で、数十頭という集団の化石が発見されているショニサウルスなどは、体長13.5mにも達する。同じころ世界各地に分布していた全長10mにもなる魚竜キンボスホンディルスは、脊椎(せきつい)が56個(ヒトの場合33~34個)もある長い胴をもっていた。 食性も多様で、魚類などを食べるものや、するどい歯でオウムガイやアンモナイトなどをかみくだいて捕食するものもいた。しかし、三畳紀後期におこった全地球的な海退にともない、こうした沿岸性で遊泳能力の低い魚竜は絶滅する。 かわってジュラ紀には、マグロのように尻尾(しりお)が下にまがる外洋性のイクチオサウルスのような魚竜が繁栄するが、白亜紀中期を最後に魚竜の時代は終わりをつげる。 日本で発見されたウタツギョリュウは、宮城県の三畳紀初期の地層から発見され、世界最古の魚竜といわれている。
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