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項目構成
無機顔料は不透明で濃度もじゅうぶんではないが、有機顔料にくらべ日光に強く、耐久力が大きいという特徴をもつ。また、無機顔料には赤色顔料の朱やべんがら、白色顔料の鉛白(えんぱく)など古くから利用されてきたものが多い。利用としては有機顔料と同じく塗料や印刷用インキ、プラスチックの着色などにつかわれている。
鉛丹(えんたん)は橙色(だいだいいろ)から赤色の粉末で、主成分は四酸化三鉛Pb3O4(→ 酸化鉛)。光明丹(こうみょうたん)ともよばれる。赤色顔料として利用されるほか、鉄骨などの錆(さび)止め塗料にもよくつかわれている。また鉛ガラス(→ ガラス)や陶磁器につかわれる釉薬の原料としても使用されている。 朱利用の歴史は古く、中国ではすでに殷の時代には使用されていた。天然には水銀の主要鉱物である辰砂(しんしゃ)として採掘されたものが利用されてきた。主成分は赤色硫化水銀HgSで、現在では水銀と硫黄から黒色硫化水銀をつくり、加熱・昇華したものが多く利用されている。絵の具や印鑑の朱肉、漆器、塗料などに使用されている。ただし値段も高く、有毒性である。 べんがらも朱と同じく利用の歴史が古い赤色顔料で、名はインドのベンガルに産するものを輸入していたことに由来し、紅殻とも書かれる。主成分は酸化鉄(III)Fe2O3で、黄色味が強いものから暗赤色のものまで製法により違いがある。値段が安く、塗料や絵の具、ゴムの着色など需要は多い。→ べんがら塗
群青(ぐんじょう)は、同じ青色顔料である紺青(こんじょう)とともに大量に利用されている。古くは鉱物のラピスラズリが利用されていたため高価であったが、19世紀にフランスで人工的な合成方法が開発されたことで広くつかわれるようになった。二酸化ケイ素(シリカ)、アルミナ、ソーダ、硫黄から合成される。別名をウルトラマリンともいう。塩基には強い性質だが、酸には弱い。印刷用インキとして使用されるほか、紙やプラスチック、ゴムなどの着色などにもよくつかわれる。 紺青も利用が多い青色顔料で、印刷用インキやペイントなどに利用されている。フェロシアン化ナトリウムに硫酸鉄(II)と塩化カリウム、硫酸アンモニウムをくわえ、沈殿物を酸化させたものが利用されている。化学物質としては、ヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)カリウムFeK[Fe(CN)6]、またはヘキサシアノ鉄(II)酸鉄(III)アンモニウムFe(NH4)[Fe(CN)6]である。日本語の紺青以外にもプルシアンブルー、ベルリン青、ベレンス、ミロリーブルーなど多くの名前でよばれている。
黄鉛(おうえん)はクロム酸鉛PbCrO4が主成分で、クロム酸ナトリウム水溶液と硝酸塩水溶液を混合したもの沈殿物としてえられる。耐光性にすぐれており、塗料や印刷用インキなどに利用されているが、有毒である。また硫化水素により黒色にかわるという欠点がある。別名をクロムイエローともいう。 カドミウムイエローは硫化カドミウムCdSが主成分で、カドミウム塩の水溶液に硫化水素または硫化ナトリウムをくわえてできる沈殿物である。着色力は強く、ラッカー塗料や絵の具、プラスチックの着色などに利用されている。溶剤や薬品、熱などにも耐性がすぐれているが、毒性も強いために「毒物及び劇物取締法」の劇薬に指定されている。
亜鉛華(あえんか)は、酸化亜鉛ZnOの別名で、白色顔料として利用される。また、毒性がなく、皮膚や粘膜を収斂(しゅうれん)させる性質があることから、古くから医薬品としても利用されている。 鉛白も古くから利用されてきた白色顔料で、かつては白粉(おしろい)としても利用されていた。鉛に酢酸の蒸気と二酸化炭素を作用させることでつくられ、主成分は炭酸水酸化鉛(II) 2PbCO3・Pb(OH)2である。油脂と結合することで丈夫な被膜ができることから塗料としての需要が多いが、亜鉛華とちがい有毒である。また陶磁器の釉薬や塩化ビニルの安定剤としても使用されている。 チタン白(しろ)は白色顔料の中でもっとも着色力や隠蔽力(いんぺいりょく)にすぐれている。主成分は酸化チタン(IV)TiO2で、塗料としての利用のほかに、紙や合成繊維の艶(つや)消しなどにもつかわれる。また無毒であることから化粧品などにも使用されている。 リトポンは、硫酸バリウムBaSO4と硫化亜鉛ZnSの混合物である。硫化バリウムと硫酸亜鉛を水溶液中で反応させてできた沈殿物を、空気を遮断(しゃだん)した状態で800°C前後の温度により焼成してつくられる。着色力や隠蔽力にすぐれ、おもに塗料としての需要が多い。
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