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原子炉をもち、核エネルギーを動力とする潜水艦。略して原潜ともよばれる。核エネルギーを利用するので空気を必要とせず、長期間浮上せずに潜航することが可能となった。それまでの潜水艦は、シュノーケルを装備していても水面近くまで浮上して空気をとりいれる必要があり、潜水艦ではなく可潜艦ともいわれたが、核エネルギーの利用によって真の潜水艦が実用化されたといえる。また、核エネルギーは出力が大きいため、通常動力潜水艦や水上艦をもうわまわる高速力をだせるようになった。 原子力潜水艦は通常動力潜水艦にくらべて長時間潜航でき速力も大きいので、全般的に有利と考えられる。しかし、原子炉の構造上、常に一定の機械音が発生するのがさけられないため、静粛(せいしゅく)性の面では通常動力潜水艦のほうが有利な面もある。
攻撃型原子力潜水艦は動力以外は通常動力潜水艦と基本的には同一で、魚雷や対艦ミサイルを装備して水上艦艇や潜水艦を攻撃する。またとくに、空母機動部隊や弾道ミサイル原子力潜水艦の対潜護衛にあたる。アメリカのロサンゼルス級潜水艦はトマホーク巡航ミサイルを搭載しており、対地攻撃も任務にしている。 ロシアの原子力潜水艦の一部は大型対艦ミサイルを装備して、敵空母部隊の攻撃にあたる。これはとくに巡航ミサイル原子力潜水艦といわれる。
弾道ミサイル原子力潜水艦は核弾頭を搭載した弾道ミサイルをもち、敵国の首都や大都市などに核攻撃をくわえるのを任務にしている。戦略原子力潜水艦ともよばれる。弾道ミサイル原潜は地上発射の大陸間弾道弾や戦略爆撃機(→ 爆撃機)にくらべて、海中にいるために探知されにくく、生存性が高いと考えられている。 攻撃型原潜の船体に追加された弾道ミサイル発射筒を搭載した船体区画は、全長の3分の1にもおよぶ長大なものである。潜水艦搭載の弾道ミサイルは潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とよばれ、アメリカはトライデントミサイル、ロシアはSS-N-20ミサイルなどを装備している。
第2次世界大戦末期にドイツは潜航しながら充電が可能なシュノーケル装置を実用化し、潜水艦の行動力を拡大したが、これはまだ完全に潜水艦が空気なしで行動できることにはならなかった。ドイツでは空気の代わりに燃焼用の酸化剤として過酸化水素をもちいた機関(ワルタータービン)を搭載した潜水艦を実験していたが、実用化はされなかった。これにかわって戦後、空気のいらない動力として実用化されたのが、核エネルギーを利用した原子力潜水艦である。
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