散乱(物理)
散乱 さんらん Scattering
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波動が散乱体、つまり障害物にであったとき、それを中心とする球面波を生じ、周囲に広がっていく現象のこと。また、微視的な粒子は量子力学的な波動性をもつため、その衝突は波の散乱として表現される。
一般に、散乱は散乱体の直径と光の波長の比によって影響をうける。光の波長よりも散乱体の直径が小さく、その比が10分の1程度以下の場合はレーリー散乱とよばれている。たとえば光波の場合、原子や分子にあたると、原子、分子内の電子が振動し、それが周囲にはなつ電磁波の球面波が散乱光波となる。散乱光の強度は光の波長の4乗に反比例するので、波長の短い青い光のほうが赤い光より強く散乱される。したがって、太陽の白色光が大気をとおして入射したとき、光の青い成分は散乱によってもとの光軸からはずれ、赤い成分は直進しやすいということになる。このため、白くひかる太陽は青みがうすれて黄色にみえ、空は大気中の分子に散乱された青い光をうけて全体が青くみえる。
光の波長に対して比較的大きな粒子による散乱は、ミー散乱とよばれ、煙やほこり、雲粒などによる太陽光の散乱はこれにあたる。このような粒子はすべての波長の光を同じように反射する。したがって、それらによって反射された太陽光は白くみえ、空がかすんだりする。また、ある角度で強く散乱がおこるため、はれた日に太陽の周りに青白いリングができたりする。
また、地表で感じる地震の揺れが徐々におさまっていくのにも、散乱の影響がある。地中をつたわる地震波は、地中の弾性的構造の不均一性によって強く散乱をうける。震源の振動自体はパルス波に近い。しかし、一般に、全体の不均一性によって多重散乱をうけるため尾をひくような包絡線がみられる。この包絡線の形状から、地中の不均一性を逆にもとめることができる。もし地中にとくに顕著な反射体があれば、地震波の観測波形では初期微動に時間差をおいてつづくように反射波がみられる。また、空気中をつたわる音波も同じように散乱をうける。
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