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さまざまな生態系が危機に直面したり撹乱されたりしている中で、砂漠の生態系だけは例外で、人為的要因による砂漠化が急激に進行し、砂漠の面積は確実に広がっている。
ほとんどの砂漠は赤道をはさんで緯度10~15度の範囲にあって、恒常的に乾燥状態にある。植生はとぼしいか欠如している。砂漠に接する半砂漠地帯は年降水量が150~500mmあり、低木と草の植生もあり、牧畜も農耕も可能だが、砂漠化がめだつのは、この地帯である。 国連砂漠化会議では、砂漠化の恐れがある地域の総面積を2000万km²と推定し、実際の砂漠化は毎年約6万km²に達していることを確認した。この2000万km²がことごとく砂漠化すると砂漠の面積は約3倍になる。現在の砂漠と半砂漠をあわせた面積は地球の全陸地の約30%である。
砂漠の生態系では、植物も動物も、年間の降水量が60~100mm以下という気候条件に耐えられるように、水分の損失を少なくする形態や機能を進化させてきた。 植物では新世界のサボテン類、旧世界のトウダイグサ類が代表的で、ともに多年生の種である。低木や一年生の植物も極度の乾燥に耐え、塩化ナトリウム、炭酸カルシウムなど塩類と石灰分が高い砂漠の土壌に適応している。砂漠のすべての植物は耐塩性をもっているといえよう。 砂漠の植生地上部のバイオマスは0kg/m²ということもあり、半砂漠でも5kg/m²にすぎない。しかし、地下部のバイオマスは24kg/m²にもなることがある。砂漠の植物は根茎が発達しているからである。言葉をかえていえば、植物のバイオマスの大半は地下にある。砂漠の生態系では、栄養物質の循環は土壌中で活発におこなわれることにある。
砂漠の生態系にも、第1次、第2次消費者が想像以上に生存し、食物網ができている。たとえばゴビ砂漠にはフタコブラクダ(→ ラクダ)のような大型草食獣がいて、それを捕食するオオカミという第2次消費者がいる。野生のウマやノロバも砂漠に生きてきた。ヒトによって捕殺されてきたオオカミをのぞくこれらの大型哺乳動物は、絶滅の恐れが強いか、野生では絶滅してしまった。これもまた砂漠の生態系にヒトが介入した結果である。 どの大陸でも砂漠の生態系でめだつのは、ネズミ類をはじめ小型のげっ歯類が多様なことである。砂漠ではヤマネコやカラカル、キツネ、ハイエナなどが捕食者として小型げっ歯類を食べている。食うものも食われるものも、熱(砂漠によっては日中の地表の温度が90°Cにもなる)と乾燥という問題を解決してきたことはいうまでもない。一例をあげれば、北アメリカのカンガルーネズミは、巣の中にたくわえた種子が吸収した水分をえているので、水そのものは飲まないでも生きられる。
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