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広義には法と同じ意味でつかわれるが、狭義には人が意識的に制定した法を意味する。この場合の「法」と「法律」の区別はラテン語のiusとlex、ドイツ語のRechtとGesetz、フランス語のdroitとloiなどの区別に対応する。「法」にあたるそれぞれ前者の語は制定法の集合以上の体系としての法、あるいは社会規範の総体という意味であり、正しさや権利という意味をあわせもつ。最狭義では、法律は国法形式としての法律を意味し、本項ではそれについてあつかう。
国法形式としての法律は、国会の議決をへて制定される法規範であり、法令上の法律という語は、ほとんどこの意味で使用されている。法律は、国民の代表により構成された国会が憲法の授権をうけ、公開の審議をへて制定するものであり、国法体系中では、憲法、条約につぐ位置にある。法律の形式的効力は、命令、規則、条例のそれに優位する。
現行法では、法律案の提出権は議員および内閣がもつ(国会法56条、内閣法5条)。実際は、各省が原案を作成し、内閣法制局が成文化した内閣提出の法律案が多い。国会に提出された法律案は原則として衆参両院の該当委員会(→ 委員会制度)に付託され、委員会の審査をへて本会議に上程される(国会法56条)。本会議では委員長が委員会の経過および結果を報告したのち(同法53条)、質疑応答をへて採決される。 憲法のみとめる例外(憲法59条2項、95条)をのぞき、衆参両院で可決したとき法律案は成立する(同法59条1項)。成立した法律には主務大臣が署名し、内閣総理大臣が連署して(同法74条)、天皇が公布する(同法7条)。公布の日から満20日をへて施行されるのが原則であるが、法律でことなる施行日をもうけることができる(法例1条)。
憲法41条後段は、国会を「国の唯一の立法機関」としている。憲法のみとめる例外(政令、条例、後述する規則)をのぞき、実質的意義の法律の定立は法律の形式でおこなわなければならない、というのが主要な趣旨である。実質的意義の法律とは何かについては諸説あるが、従来の通説は、国民の権利を制限し義務を課する法規範としてきた。近年は、広く一般的抽象的法規範、すなわち不特定多数の人および事例に適用される法規範と解する説が有力である。 憲法41条後段あるいは権力分立(→ 三権分立)、民主主義、法治主義など根拠は論者によりことなるが、国民生活に重大な影響をあたえる国の機関を設置することも法律による必要があると解釈されている。憲法は、刑罰手続(31条)、内閣の組織(66条1項)、下級裁判所の設置(76条1項)など一定の事項について、法律でさだめるべきことをとくに明文でしめしている。以上の必要的法律事項については法律が政令などほかの法形式に包括的に委任することはゆるされない(→ 委任立法)。
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