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アンモニアと塩化水素の化合物。無色の結晶で、苦みをおびた辛みがあり、わずかに吸湿性がある。肥料や工業原料としては略して塩安(えんあん)の名でよばれ、古くは磠砂(ろしゃ)ともよばれた。 古代エジプト(→ エジプト文明)ではアモン神殿(→ アメン)の近くでとれる塩化アンモニウムを主成分とする塩を「アモンの塩」(塩化アンモン石)とよんでいた。そして、この「塩」から発生する気体を、のちに英語でアンモニア(ammonia)とよぶようになった。なお、塩化アンモン石は、火山の噴気孔や自然発火した石炭の層など、煙が発生している場所で、煙にふくまれるアンモニアと塩化水素が反応して形成される。
水によく溶解し(100gの水に0°Cで29.4g、20°Cで37.2g、100°Cで77.3g)、グリセリン、液体アンモニアにも溶解する。メタノール(メチルアルコール)やエタノール(エチルアルコール)には溶解しにくい。 結晶は、a、β、gの3つの型があり、高温型であるa型は184.3°Cでβ型に、β型は-30.5°Cで低温型であるg型に転移する。337.8°Cで昇華し、アンモニアと塩化水素に解離する。
塩化アンモニウムNH4Clは、水溶液中ではアンモニウムイオンNH4+と塩化物イオンCl-に電離している。
工業的には、濃塩酸HClに直接アンモニアNH3ガスをふきこんで反応させるか、再結晶または昇華によって精製する。
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