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カルシウムの塩化物で、吸湿性、潮解性(→ 潮解)をもつ。無色の結晶状態の無水物のほかに、1分子の結晶水をもつ1水和物(CaCl2・H2O)をはじめ、2、4および6の水和物がある。 化学式CaCl2。融点774°C(無水物の場合)。沸点1600°C以上(無水物)。密度2.152g/cm³。
天然には海水塩中に少量存在するが、工業的にはアンモニアソーダ法(ソルベー法)の副産物として、おもに2水和物が大量にえられる。
塩化カルシウムの水溶液を濃縮していくと、30°C以下では6水和物(CaCl2・6H2O)、30~40°Cでは4水和物(CaCl2・4H2O)、それより温度が高いと2水和物(CaCl2・2H2O)の結晶がえられる。2水和物は175°Cで1水和物、約300°Cで無水物となる。 無水物は水によく溶解し(100gの水に-54.9°Cで42.5g、0°Cで59.5g、100°Cで159g)、種々のアルコールやアセトンにも溶解する。乾燥剤として利用されるが、アンモニアやエタノールに対しては、分子中の原子組成のまま反応して分子化合物をつくるので、それらの乾燥にはつかえない。
乾燥剤、製氷の冷却剤としてもちいられる。塩化カルシウム水溶液は凝固点が低く、塩化ナトリウムの水溶液と同様に、冷凍機の冷媒(ブライン:→ 冷凍)として広くもちいられている。6水和物と氷を1.44:1の割合で混合すると、-54.9°Cまで急激に冷却されるので、冷却用として利用される。ちなみに1963年に南極大陸で新発見の天然鉱物「南極石(antarcticite)」は、塩化カルシウムの6水和物で、ドンファン池という不凍の塩池で日本の観測隊によって発見された。 ほかに、豆腐の凝固剤や土質改良剤、高カリウム血症(→ 腎不全)や低カルシウム血症の治療に医薬品としてもちいられるが、降雪地帯では道路の凍結防止剤や融雪剤として大量につかわれている。
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