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常温では無色の気体。火山性のガスとして自然に噴出することもあり、しばしば死亡事故が発生する。硫黄をふくむタンパク質の腐敗(→ 腐敗と分解)でも発生し、シアン化水素よりも毒性が強い猛毒で、卵が腐敗したような悪臭を発する。水やエタノール(→ アルコール)など多くの溶媒に溶解する。
金属の硫化物を酸で加水分解すると生成する。実験室ではキップの装置をつかい、硫化鉄(II)(FeS)に希塩酸か希硫酸を反応させてえられる。工業的には、石油の脱硫などで回収した硫黄を600°Cで水素と直接反応させると純度の高い硫化水素ができる。
飽和水溶液は硫化水素水、あるいは硫化水素酸とよばれ、弱い酸性で、陰イオンとしてはHS-と微量のS2-をふくんでいる。酸性塩はHS-をふくみ、水硫化物などともよばれる。硫化水素は、酸性溶液では穏やかな還元剤としても機能する。 多くの金属イオンと反応して不溶性の硫化物を沈殿させるため、古典的な定性分析では重要な試薬であった。酸性溶液からは銅、鉛、ビスマス、水銀、カドミウム、ヒ素、アンチモン、スズなどが沈殿する。 検知するには鉛塩のアルカリ性水溶液や酢酸鉛をしみこませた紙(鉛糖紙ともいう)などをつかい、褐色から黒色に変色することで存在を確認する。 空気中で燃焼して二酸化硫黄を生じ、青色の炎をだす。硫化水素水は空気によってゆっくりと酸化され、単体の硫黄を生じる。油田などからの天然ガスには、火山性のもののほかに生体起源と推定される多量の硫化水素がふくまれており、精製する前に脱硫処理をおこなっている。 分子式H2S、分子量34.08、液体の比重は1.54、空気に対する気体の比重は1.19倍、融点-85.5°C、沸点-60.7°C。
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