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粘土など可塑性を有する材料でつくられた彫像の総称。木や石などの材料を外側から彫りだして形をつくる技法をカービング(彫刻)とよぶのに対して、粘土などをもりあげて外側へ肉付けしていく技法をモデリング(塑造)という。塑像とは、この塑造によってつくられた彫像である。日本では一般に彫刻という言葉に塑造の意味ももたせてつかっているが、彫刻は文字どおり「彫る」「刻む」という意味で、中国では両者が明確に区別されている。 塑造には、手で粘土をこねあげてつくるだけの小さなものから、木や金属、縄などをつかった心棒の周りに粘土をもりあげてつくる大きなものまである。また、日干しや素焼きの手法によってかたく丈夫なものとしてしあげるもの(テラコッタ)や、粘土や蝋(ろう)でつくった原形から金属を鋳造してしあげるものもある。通常は、粘土のままで完成品とするものを塑像という。
塑造は、日本では古くから仏像制作の一技法としておこなわれてきた。文献のうえでは、7世紀中ごろに四天王寺塔内につくられた霊鷲山像(りょうじゅせんぞう)が塑造によるものと推定され、もっとも古い。7世紀後半以降になると、681年(天武9)ごろの当麻寺弥勒仏座像(みろくぶつざぞう)、711年(和銅4)の法隆寺五重塔塔本塑像、8世紀中ごろの東大寺法華堂諸像、新薬師寺十二神将像など数々のすぐれた作品がつくられた。
塑像の伝統は、インドにはじまる仏教文化の伝播(でんぱ)ルートにみることができる。ガンダーラ(→ ガンダーラ美術)では、3~5世紀ごろにそれまでの石彫像とともに塑像がつくられるようになった。同時期の遺品が、隣接するアフガニスタンのハッダなどから出土している。その後、塑造は中央アジアの各地につたわり、ストゥーパや石窟寺院に安置される仏像にもちいられた。木材を心木にしたもののほか、石彫によっておおよその形をつくり、その上に塑土をのせる石胎塑像(せきたいそぞう)もみられる。 中国では甘粛省の石窟寺院などではやくから塑像がつくられた。敦煌莫高窟、永靖炳霊寺、天水麦積山などには5世紀にさかのぼる作例がみられる。これらの石窟寺院では、唐、宋の時代にもひきつづき洞窟が造営され、特色ある彩色塑像がつくられた。また、唐代には洛陽や長安などの一般の寺院においても塑像がつくられ、壁面全体に山水樹木と仏像を配した塑壁とよばれるものもつくられた。
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