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現在すすめられている改革がすべて実施されれば、特殊法人はごく少数となり、その概念も変更が予想されるが、ここでは、従来の特殊法人の性格、および進行中の改革についてまとめる。 従来の特殊法人は、特定の行政目的や公共目的の実現のために、特別の法律によって設立される法人をさし、民法や商法、会社法などによって設立される一般法人とは区別されてきた。 このうち、法律により直接設立された公社(かつての日本国有鉄道、日本電信電話公社、日本専売公社の3公社)や、特別の法律により特別の設立行為をもって設立され、政府が設立委員などを任命する公団、公庫や事業団などの法人は、その設立、改廃などに関して、総務省の審査の対象となるため、狭義の特殊法人として区別されてきた(総務省設置法4条15号)。 狭義の特殊法人のうち、さらに、みずからの名と責任において行政をおこなう行政主体性をもつ特殊法人を、「政府関係特殊法人」という。この政府関係特殊法人は、設立の手続きにおいて特殊であるだけでなく、その業務の性格から公共性をもち、かつ、その法人の設立や運営に対して国が出資していることが特徴となる。 なお、狭義の特殊法人にはあたらない特殊法人としては、総務省の審査の対象とはならないが、業務の公共性などを理由として、特別の法律により主務大臣の認可をうけて設立される「認可法人」(たとえば日本銀行、日本赤十字社)がある。さらに、地方自治体が設立した法人(たとえば地方住宅供給公社)も、特殊法人とされる。
狭義の特殊法人は、従来、「公社」(かつての日本郵政公社)、「公団」(かつての日本道路公団、石油公団など)、「公庫」(かつての国民生活金融公庫、住宅金融公庫、中小企業金融公庫など)、「事業団」(かつての労働福祉事業団、環境事業団など)、「特殊銀行」(かつての国際協力銀行、日本政策投資銀行)、「特殊会社」(日本たばこ産業株式会社、日本政策金融公庫、関西国際空港株式会社など)、「基金」(年金資金運用基金、奄美群島振興開発基金、社会保険診療報酬支払基金など)に区別されてきた。そのほか、「協会」(日本放送協会、日本勤労者住宅協会など)、共済組合などさまざまな名称をもつ場合もある。 その名称の多様性からもわかるように、設立の目的と役割、政府出資の有無、運営や予算・決算に関する国の関与など、その範囲や程度はかなりことなっている。 狭義の特殊法人は、かつては110をこえたときもあるが、行政改革による独立行政法人化や合理化の影響をうけ、1980年代に100前後、特殊法人の改革に関する基本法が成立した2001年(平成13)6月段階では77法人にまで減少していた。
特殊法人の業務は、本来的には、国の業務である。しかし、第1に、国の機関が直接になうとなると、多種多様な制約から効率的な運営をおこなうことが困難な業務に関して、第2に、業務の性質が独立の企業的な経営運営になじむものに関して、第3に、国家的監督をみとめる代わりに国家的責任を担保しつつ、法人自体に自主性をみとめようとする制度である。したがって、狭義の特殊法人も、国や地方公共団体と同様に、原則的には行政主体としての性格をもつことになる。 とはいえ、多数の特殊法人が官僚の天下り先となっているという批判がある。そこで、行政改革との関連で、機能していない不必要な特殊法人の見直しがおこなわれ、特殊法人の統廃合がおこなわれることになった。1997年12月にまとめられた行政改革会議最終報告では、特殊法人等の問題点として、(1)経営責任の不明確性、(2)事業運営の非効率性・不透明性、(3)組織・業務の自己増殖性、(4)経営の自立性の欠如などが、きびしく指摘された。また、財政上の問題についても、補助金の縮減、財政投融資改革などとの関係で抜本的見直しがさけられない状況となった。 その後、2000年12月に閣議決定された「行政改革大綱」、および01年6月に制定された「特殊法人等改革基本法」によって、77の特殊法人および86の認可法人(特殊法人等合計163)の見直しがおこなわれることになった。改革は、特殊法人等の事業について徹底的な見直しをおこない、特殊法人等の組織形態について、(1)廃止、(2)民営化、(3)独立行政法人への移行等を策定するものとなった。
特殊法人等改革基本法にもとづき、内閣総理大臣を本部長とする「特殊法人等改革推進本部」が設置され、同本部が「特殊法人等整理合理化計画」を策定して、2005年度末までの「集中改革期間」内に必要な措置を講ずることになった。 2001年12月18日に策定された「特殊法人等整理合理化計画」は、国の政策実施機関以外の法人として整理すべき共済組合45法人をのぞき、残りの118法人は、17法人を廃止、45法人を民営化(特殊会社化、民間法人化、完全民営化)、38法人を36の独立行政法人化するとした(残り18法人は現状維持ないし今後検討)。また、これにあわせて、特殊法人の役員給与・退職金の適正化やディスクロージャーの徹底がはかられることになった。この関連で、「特殊法人等の役員の給与・退職金について」が02年3月15日に、「特別の法律により設立される民間法人の運営に関する指導監督基準」が同年4月26日に閣議決定されている。 特殊法人の合理化計画は2005年度末までにほぼ実施され、組織形態としては現状維持とされた特殊法人の日本放送協会、認可法人の日本銀行、日本赤十字社、預金保険機構、農水産業協同組合貯金保険機構、計5法人をのぞく13法人がひきつづき検討されることになった。 このうち、8つの公庫など政府系金融機関は、2006年5月に成立した行政改革推進法により、それぞれ廃止や民営化、また統合などの措置がきまり、08年10月に株式会社日本政策金融公庫の1つにまとめられた。
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