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太陽光線によってあたためられた地表からは、波長がおよそ4000~10万nm(1ナノメートルは1mの10億分の1)に相当する赤外線として宇宙空間に熱を放射している。これらの赤外線を途中で吸収し、熱が宇宙空間へ放出されることをさまたげる気体のことを温室効果ガスといい、略称からGHGともよばれる。これらの気体の働きにより、地球はほぼ一定の温度にたもたれている。→ 温室効果 大気中の二酸化炭素(CO2)は、波長1万2000~1万8000nmの赤外線を吸収し、放出している。二酸化炭素や水蒸気(→ 蒸気)が吸収しない波長1万2000nm以下の赤外線に関しては、これまでは大気を素通しで宇宙空間へ放射されていた。 だが、近年になって大気中に増加しているメタン(CH4)やフロン、さらには代替フロンが、波長8000~1万3000nmの赤外線を吸収することがわかってきた。そのため、二酸化炭素の増加による地球表面温度の上昇だけでなく、そのほかの赤外線を吸収する温室効果ガスの影響も大きな問題になっている。 ちなみに、可視光線の波長は紫色に相当する約400nmから、赤に相当する約800nmの領域である。これよりも波長の短いものが紫外線(波長約15~400nm)であり、波長の長いものが赤外線(波長約800~100万nm = 1mm)とよばれている。
もっとも大きな温室効果をしめす気体は水蒸気だが、雲を形成したり雨になったり、きわめて短い時間で循環(水循環)しており、制御もむずかしい。そのため、地球温暖化の防止策を検討するときには水蒸気そのものは考慮しない。一方、二酸化炭素やメタン、一酸化二窒素(N2O)などの人為的に排出された温室効果ガスの濃度が近年増大し、地球温暖化をもたらしている。 1997年(平成9)に京都で開催された気候変動枠組み条約の第3回締約国会議(COP3:地球温暖化防止京都会議)では、地球温暖化対策を総合的に推進して、温室効果ガスの排出量を削減するために京都議定書が調印された。京都議定書では、排出削減の対象とする温室効果ガス物質として、二酸化炭素やメタン、一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボン(HFC)、パーフルオロカーボン(PFC)、六フッ化硫黄(SF6)の6種類が規定されている。一酸化二窒素は亜酸化窒素(→ 窒素)ともよばれ、窒素肥料の反応や化石燃料の燃焼、化学工場の製造工程などから発生する。ハイドロフルオロカーボンは代替フロンの一種で、冷蔵庫やエアコン(→ 空調)の冷媒(→ 冷凍)などに特定フロン(→ フロンガス)にかわり使用されている。同じく代替フロンの一種のパーフルオロカーボンも、半導体の製造過程で特定フロンにかわり使用されている。六フッ化硫黄は変電所などで電気絶縁用ガスとして使用されている。→ フルオロカーボン また特定フロンとよばれるクロロフルオロカーボン(CFC)と代替フロンの一種のハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)は、温室効果ガスであるとともにオゾン層を破壊する物質でもあるため、モントリオール議定書で規制されている。 このほかの温室効果ガスとしては、対流圏内に存在するオゾン(O3)、アンモニア(NH3)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(ハイドロカーボン)などがある。
地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)とは、それぞれの温室効果ガスが一定期間(20年、100年、500年など)にわたり地球温暖化にあたえる影響の強さについて、二酸化炭素を基準値である「1」として相対的に数値化したものである。水蒸気は短期的に雲になったり水になったりするのでGWPは算出できない。なお、京都議定書では、気候変動に関する政府間パネル(IPCC:Intergovernmental Panel on Climate Change)が1995年に発表した第2次評価報告書の100年値(期間を100年としたGWP)を使用することが決定されている。 ちなみにメタンのGWPは21、一酸化二窒素は310、六フッ化硫黄が2万3900である。ハイドロフルオロカーボン類では、1.1-ジフルオロエタン(HFC-152a)の140~トリフルオロメタン(HFC-23)の1万1700、またパーフルオロカーボン類ではパーフルオロメタン(PFC-14)の6500~パーフルオロエタン(PFC-116)の9200となっている。たとえばメタンのGWPは21なので、メタン1kgの排出は、二酸化炭素21kgの排出に相当することになる。これらの物質は、2006年4月から施行された地球温暖化対策推進法で規制の対象となった。
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