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人工衛星のうちで、宇宙を対象とした科学的な探査をおこなう衛星のことで、天文観測衛星ともいう。地球やその周辺の高層大気や磁場(→ 地球物理学)、バン・アレン帯や宇宙線などの観測や太陽系の惑星などを探査する衛星とともに科学衛星ともよばれている。 日本初の天文衛星は、1975年(昭和50)2月にうちあげられ、太陽からの軟X線(→ X線)や紫外線などの観測をおこなった「たいよう」(SRATS)である。そして、日本の天文衛星は文部科学省の宇宙科学研究所が中心となって観測や運用をおこなってきたが、2003年(平成15)10月からは宇宙開発事業団や航空宇宙技術研究所との統合再編によって誕生した宇宙航空研究開発機構(JAXA)が活動をひきついでいる。
1990年4月にNASA(アメリカ航空宇宙局)とESA(ヨーロッパ宇宙機関)がうちあげた光学式装置によるハッブル宇宙望遠鏡は、すでに数度の改修がおこなわれているが、2006年10月にNASAは13年までハッブルを使用することを発表した。後継機となるジェームズ・ウェッブ赤外線宇宙望遠鏡の打ち上げが13年に予定されているからである。主鏡の直径がハッブルの2.4mからウェッブでは6.5mへと大口径化するため、より高精度な観測ができるものと期待されている。 1989年11月にNASAがうちあげた探査機のCOBE(Cosmic Background Explorer)は、宇宙の背景輻射(ふくしゃ:宇宙背景放射)が約2.726度K(ケルビン:絶対温度)であることを計測したほか、場所により温度のばらつきがあることを確認し、93年12月に運用を停止した。 1991年4月にNASAがうちあげたコンプトン(GRO:The Compton Gamma Ray Observatory)は、宇宙にさまざまな強度で分布するガンマ線バースト(→ バースター)などのガンマ線源を観測することによりガンマ線天文学にとって新しい成果をあげたが、2000年6月に運用を停止した。 X線天文学の分野においても、この分野の先進国である日本は、旧宇宙科学研究所が1979年(昭和54)2月に「はくちょう」、83年2月に「てんま」、87年2月に「ぎんが」、93年(平成5)2月に「あすか」をうちあげた。現在は、2005年7月にJAXAがうちあげた5台のX線望遠鏡をそなえた「すざく」(ASTRO-EII)が運用されている。世界的には、1990年6月にドイツがうちあげたROSATや99年7月にNASAがうちあげた「チャンドラ」(AXAF:the Advanced X-ray Astrophysics Facility)、同年12月にESAがうちあげた「XMM-ニュートン」などが運用されている。 赤外線天文学の分野では、1995年11月にESAがうちあげ、98年4月に停止したISO(Infrared Space Observatory)などがある。JAXAが2006年2月にうちあげた「あかり」(ASTRO-F)は、口径67cmの赤外線望遠鏡を搭載しており、銀河や恒星、惑星などの誕生や宇宙の進化(→ 宇宙論)の過程を観測している。 1997年2月に旧宇宙科学研究所がうちあげた「はるか」(MUSES-B)は世界初の電波天文衛星だったが、2005年11月に運用が終了した。直径8mの電波望遠鏡(→ 電波天文学)をそなえ、地上の大型パラボラアンテナと協力して超長基線電波干渉法(VLBI)をおこなうことで、直径が数万キロメートルという巨大な電波望遠鏡をつくりあげることができた。
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