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  • ワークシェアリング - Wikipedia

    ワークシェアリング とは、勤労者同士で 雇用 を分け合うこと。各々の 労働時間 を短くする時短によるのが典型的な方法である。

  • ワークシェアリングってなんだろう?

    政府、日本経営者団体連盟及び日本労働組合総連合会は、平成14年3月29日に「ワークシェアリングの取り組みに関する5原則」を含む「ワークシェアリングについての基本的な考え方」について合意しました。

  • ワークシェアリング

    ワークシェアリングとは? ワークシェアリングとは,雇用の維持・創出を図ることを目的として,労働時間の短縮を行うものであり, 雇用・賃金・労働時間の適切な配分を目指すものであり(平成14年3月29日ワークシェアリングに関する

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ワークシェアリング

ワークシェアリング Work Sharing
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

1人当たりの労働時間を短縮し、仕事をわかちあうことによって、雇用を維持・拡大しようとする方法。失業率の上昇を食いとめる方法として、また個人の多様化した就業意識を現実の雇用につなげるための方法として、関心をあつめている。

具体的対策として、(1)1日の労働時間を短縮したり、1週間の労働日数を削減したりすることにより週労働時間を短縮する方法、(2)1人分の仕事を曜日や労働時間帯によりわけ、2人でわかちあう方法、(3)定年前の労働者の残業時間をへらし、高齢者や若年の雇用に振りむける方法、(4)雇用形態の多様化により、フルタイマーからパートタイマーへ仕事をわりふる方法などがある。また実施期間によって、不況期の緊急避難的な対策として導入するのか、恒常的な働き方の構造改革をめざすのか、といったタイプ分けも可能である。

II

諸外国におけるワークシェアリングの歴史

ヨーロッパでは、失業率が急上昇しはじめた1970年代後半から、ワークシェアリングに対する関心が高まった。ドイツでは70年代末に、労働組合のナショナルセンターがワークシェアリングをとなえはじめたことを契機に労使間の交渉がはじまった。84年には金属産業においてワークシェアリングの実現に関して協約交渉がおこなわれ、大規模な労使紛争をへて、従来週40時間であった労働時間を、給与の削減をともなわずに週38.5時間に短縮することが合意された。

当初、経営側は給与を削減しないまま労働時間が短縮されれば、時間当たりの賃金が上昇し、企業は競争力をうしなってしまうとの懸念を持ち強く反対していた。しかし、労働時間編成の弾力化を条件に時短に応じ、1995年から金属産業では35時間制に移行した。また93年にフォルクスワーゲン社では雇用保障協定がむすばれ、週35時間制を前倒しし、28.8時間に短縮、原則4日勤務制とし、時間短縮分の給与もひきさげ、ワークシェアリングが実施されたことは有名である。

フランスのワークシェアリングは、政府が労働法の改正により、法定労働時間を短縮するといった形ですすめられている点が特徴である。1982年には法定労働時間を週40時間から39時間へ短縮し、年次有給休暇も5週間にふやされた。さらに2000年から従業員20人をこえるすべての企業は週35時間制に移行することがもとめられ、20人以下の企業も2002年から移行することがもとめられている。

従来、フランスでは時短にあたって企業は給与の完全補填(ほてん)がもとめられ、一定の条件をみたす企業には、政府が社会保険料負担を軽減することを約束するという方式がとられた。しかし、その軽減額が少ないために企業は人件費がふくらみ、国際競争力をうしなってしまうと懸念し、強い抵抗をしめしてきた。ここでも、時短にともなう給与の扱いが労使の最大の関心事となった。

ワークシェアリングの実施により、失業率が大きく低下し、さらに人々の働き方もかえたと高い評価があたえられているのがオランダである。オランダでは1982年に失業率が10%をこえる中、労働市場の構造改革について政労使の痛みのわかちあいに関するワッセナー合意がむすばれた。労働組合は、民間部門の投資と雇用回復には企業の収益改善が必要であることをみとめ、賃金の抑制に協力することを約束した。企業はコスト中立的な労働時間短縮に関して交渉することを約束、政府は賃金抑制による労働者の痛みを減税の実施によりやわらげ、さらに財政制度や社会保障制度を抜本的に改革していくことを約束した。

オランダでとくに効果が大きかったと評価されるのは、短時間雇用機会の拡大により、働き方の柔軟性がみとめられるようになったことであるといわれる。これにより失業率が急速に低下し、2001年には3%を切るまでに改善したのと同時に、就業する女性や高齢者が急速に増加した。従来、オランダでは宗教上の理由から、男性は外ではたらき、女性は家庭をまもるべきだとの考え方が強かったが、雇用形態の多様化と働き方の柔軟化から男女共にはたらき、共に家庭責任をおっていくライフスタイルを選ぶ夫婦がふえている。

そしてこうした変革を実現するために、政府は税制や社会保障制度を見直すとともに、パートタイマーとフルタイマーの雇用条件の格差縮小をめざして、同じ仕事をしているなら労働時間に差があっても時間当たり賃金は同一にしなければならないという「労働時間差差別禁止法」を立法化し、さらに一定年数以上就業した者に対しては、労働者が事前に申し入れすることによって、労働時間を変更できるよう保証することを法制化した。その結果、1人当たりの給与はさがっても、夫婦2人の合計給与は増加するとともに、仕事と家庭生活の両立が可能となり、経済が活性化したといわれる。

III

日本でのワークシェアリングをめぐる議論

日本でも不況が長期化し、失業率が急上昇するようになった1990年代末から、ワークシェアリングに対する関心が高まってきた。日本経営者団体連盟(日経連)は99年(平成11)度労働問題委員会報告において、中高年齢者雇用等を考え、個別企業におけるワークシェアリングの導入をとなえた。これを機に、98年雇用対策指針として時間外労働削減による雇用創出の取り組みを提唱してきた日本労働組合総連合会(連合)をはじめ、関係者の間でワークシェアリングをめぐる議論は盛り上がりをみせた。

しかし給与をはじめとする処遇上の取り扱いをめぐって、両者の議論には大きな隔たりがあった。ところが2001年に失業率が急速に上昇し、雇用収縮が鮮明になる中、労働組合の中から、給与が削減されても、時間当たり賃金がまもられるならば、雇用を維持するためワークシェアリングを導入すべきだとの声が強まり、02年に入ると、実施にむけ政労使の間で具体的詰めの議論がおこなわれるようになった。

労働者にとって、ワークシェアリングを実施した場合の懸念は、賃金が大幅に削減されることである。他方、経営者にとっての懸念材料は、この実施により、人件費総額がかさむ一方、生産性が低下し、企業競争力がうしなわれることである。これらを回避するためには、政府による何らかの支援が必要ではないかという指摘がある一方、政府の支援により本来解決しなければならない過剰雇用の問題が先送りされるだけとの懸念の声もあがっている。

このように緊急避難的な対策に対する意見はわかれている。だがその一方、雇用形態を多様化させ、人々が柔軟な働き方のできる社会を構築していくべきであるとの考え方には多くの人が賛成している。日本でも近年、パートタイマーの増加をはじめ、雇用形態の多様化はすすんできているが、そこで問題になるのは、ヨーロッパ諸国とことなり、パートタイマーと一般労働者の処遇に大きな格差があることである。

この格差を解消するには、まずもってパートタイマーに対する先入観を払拭(ふっしょく)する必要がある。日本ではパートタイマーは労働時間の短い労働者であると考えられているだけではない。パートタイマーの対極にある雇用形態は「フルタイマー」ではなく、「正社員」であるという言葉でしめされるように、パートタイマーは「非正規社員」(非正規雇用)であり、企業における身分の低い労働者であるとうけとめられている向きがある。また責任ある、高度な仕事はパートタイマーにはまかせられないという考え方も強い。パートの雇用条件を改善するにはこうした先入観を払拭する必要がある。

近年、勤続年数の長いパートタイマーもふえており、流通業界などではパートタイマーの管理職もめずらしくなくなってきた。今後、少子高齢化の進展を考えると、企業にとっても性や年齢にとらわれることなく、だれもが能力を発揮できる環境をととえていくことが、競争力強化のためにも必要であろう。またこれを実現するためには、パートタイマーの雇用管理だけではなく、残業をおこなうことを前提にしてくまれている一般労働者の労働時間や業務量、さらには給与体系についても見直しをすめていく必要がある。

現在、政労使の間でくりひろげられている緊急避難的なワークシェアリングの議論を、働き方や生き方の構造改革につなげていくことが重要である。

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