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酢酸セルロースまたはセルロースアセテートともよばれる。セルロースを無水酢酸と反応させて、–OH(ヒドロキシル基、水酸基ともいう)をCH3CO–(アセチル基)におきかえたもので、この置換をアセチル化ともいう。完全にアセチル化したものをトリアセチルセルロース(セルローストリアセテートともいう)とよぶ。用途により、これを加水分解してふたたび–OHを一部導入したものもつかわれており、ジアセチルセルロース(セルロースジアセテートともいう)とよばれる。プラスチックやアセテート繊維、塗料などの原料、映画用フィルムのベース、医療用などに利用されている。→ アセテート
映画用や写真用の不燃フィルムベースは、トリアセチルセルロースでできている。なお、フィルムにはほかにポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET、→ テトロン)やポリエチレンナフタレート)でできているものもある。 以前、フィルムには可燃性であるセルロースの硝酸エステル(セルロースナイトレート)を原料とするセルロイドが使用されていた。このため、フィルムに起因する映画館の火災事故があいついで発生し、映画上映には火災の危険がたえずつきまとっていた。また、フィルムの不燃化がすすんだあとでも、東京国立近代美術館フィルムセンターで、夏の高温のため保管されていた映画フィルムが自然発火して、多くの貴重なフィルムを焼失するという事故(1984年)もあった。 このように危険な可燃性フィルムに対して、フィルムベースの不燃化が強くもとめられており、第2次世界大戦前ではジアセチルセルロースを原料とする不燃性フィルムが、また戦後にはトリアセチルセルロースを主原料とするフィルムベースが開発され、フィルムの不燃化がすすめられた。
人工透析(腎臓透析)用の透析膜にも、アセチルセルロースがつかわれている。ここでも、CTA(セルローストリアセテートcellulose triacetate)膜と、アセチル基の置換度がより少ないCDA(セルロースジアセテートcellulose deacetate)膜の2種類がある。セルロース膜にくらべて、–OHがアセチル基におきかわっているため、CTA膜やCDA膜のほうが、生体適合性(人体に問題が少ないこと)がよく、さらにアセチル基の置換度がより多いCTA膜の方が、CDA膜よりも生体適合性が高い。とくに、CTA膜は低分子量タンパク質の除去能にすぐれている。→ 半透膜
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