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ゴムノキから採取されるラテックスからつくられる天然ゴム(→ ゴム)に対して、石油からえられる各種の不飽和炭化水素を原料として合成された物質のこと。合成ゴムの物理的性質や化学的性質は、天然ゴム(生ゴム)のように弾性をもち、加硫によって強度が高まる。また、合成ゴムは原料物質の種類によってさまざまなものがつくられており、耐熱性、耐薬品性などの点では天然ゴムよりすぐれたものが多い。 天然ゴムはイソプレンが重合したものだが、合成ゴムの製造では種類に応じてイソプレン以外にもブタジエンやスチレン、プロピレン、エチレンなど、さまざまな物質を重合させている。重合反応にあずかるこれらの原料物質をモノマー(単量体)といい、重合反応がおこるとそれぞれのモノマーが化学結合でむすばれ、ポリマー(高分子化合物)とよばれる巨大な分子を形成する。
1826年にイギリスの化学者ファラデーは天然ゴムを分析、主成分が炭化水素で、分子式はC5H8であることをつきとめた。そして、60年、イギリスの化学者C.G.ウィリアムスは、天然ゴムを乾留してイソプレンを分離し、天然ゴムがイソプレンCH2=C(CH3)CH=CH2の重合体であることを明らかにした。79年にはフランスのG.ブーシャルダが、逆にイソプレンを加熱重合してゴム状の物質をつくりだすことに成功。天然ゴムの構造が解明されてゆくにつれ、合成ゴムの研究も本格的にはじまった。 イソプレン以外の物質をつかった研究も次々におこなわれ、1900年代初期にはロシアのL.コンダコーフやS.V.レーベデフが、それぞれがジメチルブタジエンCH2=C(CH3)C(CH3)=CH2やブタジエンからゴム状物質を合成することに成功している。
やがて第1次世界大戦中のドイツにおいて、連合軍による海上封鎖で補給がたたれた天然ゴムにかわるものとして、1914年にジメチルブタジエンを原料としたメチルゴムがつくられた。メチルゴムの品質は天然ゴムにくらべて粗末なものだったが、大戦末期には月150tが生産されるまでになった。これが最初の工業化された合成ゴムであるが、品質がおとることから戦後は生産が中止された。 1920年、ドイツの化学者シュタウディンガーによって高分子説が発表され、高分子化学という新しい分野が出現した。高分子化学は、ゴムやプラスチックなどの物質が、多数のモノマーが結合してできた巨大分子からなることを明らかにし、それ以後、合成ゴムの研究はめざましく進歩した。
1930年にはアメリカのデュポン社につとめていたカロザースが、クロロプレンCH2=CClCH=CH2を重合することでクロロプレンゴムを発明。翌31年から「ネオプレン」の商品名で製造が開始されている。同じころドイツでは、ブタジエンを金属ナトリウムで付加重合してブナゴムといわれるポリブタジエンゴムが開発された。その後も、さまざまな合成ゴムがつくられ、54年には天然ゴムとほとんど同じ構造をしたイソプレンゴムが開発されている。
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