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高齢者を中心として成人におこる、知能の働きが低下する障害。記憶があいまいになったり(→ 記憶障害)、言葉をうまくつかえなくなったり(→ 音声言語と言語障害)、いろいろな精神機能が慢性的に減退し、生活に支障が出る状態になる。ながらく「痴呆(ちほう)」や「痴呆症」とよばれてきたが、患者の実態にそぐわず、侮蔑的(ぶべつてき)な意味をもつ漢字をつかうことから、2004年(平成16)12月に新しい呼び名として「認知症」が提示された。現在、日本では要介護認定(→ 介護保険制度)をうけている人の2人に1人が、認知症の症状をしめしている。認知症でもっとも多いのは、脳梗塞など脳の血管障害(→ 脳血管障害)によっておこる脳血管性の認知症で、次にアルツハイマー型の認知症(→ アルツハイマー病)が多い。
初め、物忘れがひどくなって、同じことを何度も聞く、食事をしたことをわすれてすぐにまた食べたがる、計算ができなくなる、自分が今どこにいるか、きょうは何日か、などがわからなくなる、という症状があらわれる。症状がすすむと、だんだん物や言葉がわからなくなったり、どこかへいったまま行方不明になったりする。人格的な面でも変化がおこり、感情の豊かさや清潔感がなくなって、ところかまわず排尿や排便をするようになることもある。認知症は65歳以下でも発症することがあり、この場合は初老期の認知症となる。 ただし、症状は人によっても、程度によっても大きくことなる。「何もわからない」ととらえられがちだが、かならずしもそうではない。とくに感情は、症状が進行しても働きをたもつといわれている。
治療は脳循環改善薬、脳代謝賦活薬などがもちいられるが、症状の中心となる記憶の障害を改善する効果はない。意欲や情緒など周辺症状の改善には役だつ。また、脳血管性の場合、リハビリテーションも改善や進行予防につながる。 現在、原因や治療についての研究がすすめられているが、社会の高齢化とともに患者数はますます増加すると予測され、家庭での介護や各種施設の整備など大きな社会問題となっている。
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