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今日では、租税という言葉はやや格式ばったかたくるしい表現をする際につかわれ、一般的には、たんに税とか税金とかいわれる。
租税という言葉のうち、租という漢字は本来、土地への税つまり地租を意味し、税という漢字は作物からの取り立てを意味した。したがって租税という言葉は、いずれも土地からつくられる作物の強制取り立てといった今日的意味での税の意味合いを有していた。 歴史的には租税は食料の恵みをあたえてくれる神に対するささげものとか、田畑をかしてくれたり安心して仕事や生活ができるように保護してくれたりする寺院や領主に対する貢ぎ物に由来していたと思われる。それが中世になると、交通の要(かなめ)で通行料を徴収したり、市場で商い料を徴収したり、また保護料などの名目で税を徴収したりする領主があらわれるようになった。 租税は最初のうちは作物での物納が多かったが、貨幣経済が発達するにつれて(日本では明治初期の地租改正以降)お金でおさめられるようになった。それがいわゆる税金である。
現代では税は社会の人々の共同目的を達成するための主要な財源としてあつめられている。そしてドイツ財政学の伝統的ないい方をすれば、税は住民ひとりひとりの自発的な支払いをまつことなく、公共部門によって強制的に徴収されている。つまり一般に税は、なんらかの法律的な強制力をともなって徴収されるものである。 強制的に徴収されるものを税と定義すると、健康保険、公的年金(→ 年金)、介護保険等の社会保険の保険料もまた税の一種である。これらが一般の税とちがうところは、保険料をしはらった場合にのみ、その代償としてなんらかの経済的利益が保証されるところである。 たとえば、健康保険や介護保険の場合には、病気になったり寝たきりになったりしたときに安い料金で診療や介護がうけられるし、公的年金の場合には高齢になったときに年金がもらえるといった経済的利益をうけることができる。それに対して一般の税の場合には、税をおさめたからといって、特別にその代償としての反対給付が用意されているわけではない。 この一般の税と社会保険料の中間的な税に目的税がある。たとえば、日本の目的税には揮発油税(ガソリンにかけられている税)がある。この税は税収を道路財源として使用することが義務づけられていてほかの目的には流用できない。そのほか最近では消費税の税収を福祉のためにのみつかう福祉目的税にしようとする動きがある。 目的税は住民が税の使途をはっきり認識しておさめることができるという意味で国民の賛同をえやすいが、一度目的税化されてしまうと、その税収の使い道が既得権化してしまい、国民のニーズがみたされたあとにも、その目的のためと称して無駄に使用される危険性がある。
税の種類を大きくわければ、それを徴収する主体が国であれば国税、地方自治体であれば地方税という。しかし税を徴収する主体が国であっても、実際にそれを使用する主体が地方自治体であることも多い。たとえば地方交付税や地方譲与税は国が国税として徴収したものの一部を地方自治体に一般財源として譲与し、地方自治体が使用するものである。 国税と地方税のそれぞれにどのような税があるかは、付表の「おもな税金の種類」を参照。
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