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ホモ・サピエンス、つまり現生人類のこと(→人類の進化の「現生人類」)。わたしたち現代人、および過去に存在した現代人と基本的にちがうところのない人類をふくむ。新人の頭骨形態上の大きな特徴としては、脳頭蓋(のうとうがい)が全体に大きく丸みをおびることと、顔面の縮小化がさらにすすんでいることがあげられる。 新人は約20万~15万年前に、アフリカで旧人から進化したらしい。おそらく5万年前ごろに第2の「出アフリカ」をへて各地へ分布範囲を広げ、やがて南極大陸をのぞく地球のほぼ全域を生活圏としながら、急速に人口をふやしていった。 新人にふくめられる化石人類としては、たとえばヨーロッパのクロマニョン人、中国の周口店上洞遺跡(周口店遺跡の北京原人が発見された洞窟(どうくつ)より上の山頂近くにある洞窟遺跡)や日本の港川遺跡(みなとがわいせき:沖縄県八重瀬町)出土の人類がある。1980年代には、旧人と新人をまとめてホモ・サピエンス種とみなし、それぞれ古代型・現代型ホモ・サピエンスとよぶことが多かった。しかし最近では、両者の解剖学的・行動学的違いは、旧来の解釈より大きいとみなすべき証拠がふえており、新人のみをホモ・サピエンスとして旧人は別種扱いする考えが優勢になってきている。
現在のわたしたちの社会は、情報化の加速とともに急激に変化しつづけている。こうした急激な文化発展は、わたしたちに特有の、複雑な情報を認知・分析する能力、複雑な情報や感情を伝達する高度な言語、ものごとの先行きを予測する能力、テクノロジーだけでなく宗教・芸術などにもみられる創造性などに根ざしている。 考古学的証拠が不足しているため、なおはっきりとしたことはわからないが、こうした現代人の基本的な能力は、おそらく5万年前までにアフリカで確立した。なお不確かな点ものこされているが、アフリカでは、たとえば7万5000年前とされる南アフリカ共和国のブロンボス洞窟遺跡から、進歩的な石器や骨角器、儀礼にもちいられたかもしれない大量の顔料、さらに現在のところ世界最古の線刻画やアクセサリーなどが出土している。これらは、現代人が共有しているすぐれた創造性などの能力が進化したことの証拠であると、多くの研究者が考えている。 このような創造性の進化は、文化を急激に発展させていくことを可能とし、新人のその後の世界への拡散を可能にしたと考えられる。
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