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    社会心理学 (しゃかいしんりがく;Social psychology)とは 個人 に対する 社会 活動や相互的影響関係を 科学 的に研究する 心理学 の領域の一つを言う。集団心理学とも言われた。

  • 日本社会心理学会

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社会心理学

社会心理学 しゃかいしんりがく Social Psychology
百科事典項目
項目構成
3

合意形成

社会の中に一員として生きるわれわれは、このように社会や集団の側から圧倒的な影響をうけながら、物事を認知し、判断し、対人関係を調整し、行動している。そのことはふだんの生活の中では気づかれにくいが、非日常的な事態においてはっきりとうかびあがってくることがある。一例として、阪神・淡路大地震の後に生じたマンションの建て替えに関する合意形成の問題を考えてみよう。それまではたんなる近所付き合いをするだけにすぎなかったあるマンションの住民たちが、建て替え賛成派と修繕派にまっぷたつにわかれるという事態に直面する。この場合、その合意形成はどのようにしてなされるのだろうか。大局的にみれば、個々の住民の価値観と互いの利害がぶつかり摩擦をおこしながらも、いずれかの合意点にむかって最終的には収斂(しゅうれん)していくとみることができる。

しかしその実際の過程には、リーダー的な存在の出現、両派による説得的コミュニケーション、両派の反発、和解、等々の具体的な対人関係力学がはたらき、その中で各個人の認知の変化、態度の変化が生じ、ようやく最終合意にたどりつくのである。この場合、個人は個人でありながら、自分勝手にふるまえないという点ではたんなる個人ではない。マスコミ(マス・コミュニケーション)をはじめ、周囲からの影響、自身の価値観や社会的態度、それらが赤裸々な人間関係にむすびついて個人を翻弄(ほんろう)する。ここに社会心理学の問題が端的にあらわれているといっていいだろう。要するに、冒頭にしめした個人、集団、社会・文化の3極の相互的な関係を解明することが社会心理学の課題なのである。以下、社会心理学の各領域ごとに簡単な概観をこころみよう。

III

集団と個人

われわれはすでに幼児のころから保育所幼稚園などの集団に参加し、以後、学校、部活動、会社、近所の寄合など、さまざまな集団に属してくらすことになる。同好の士がよりあつまって同好会のようなサークル(集団)をつくる場合もあるが、たいていはすでにある集団に個人が参加するという形をとるから、まずもって集団参加が問題になる。

1

集団参加

人が集団に参加するのは、軍隊のようなものを別にすれば、それによってなんらかの利益が個人にえられるからである。これを個人の側からみれば、その集団が自らの価値実現に関して魅力があるからだということになる。人が有名大企業に就職することをめざすのは、そこに所属することによって経済的な豊かさ、生活の安定、社会的名声をえることができると思うからである。しかし、少し視点をかえれば、それと引き替えに判でおしたようなサラリーマンの生活を強いられるという短所もみとめざるをえない。それを不満に思う人は、もっと自分の活躍の場をもとめてベンチャー企業を志向するだろう。あるいは、趣味のサークルに参加するのと、留学をめざしてセカンド・スクールに参加するのとでは、めざしているものが明らかに相違する。してみると、個人がどのような集団に参加するかは、その個人が当面どのような価値実現をはかろうとしているかに規定されるとみることができる。

2

集団規範と集団圧力

ほとんどの集団には、こうすべき、こうしてはならないといった集団の成員に対する規律や規範がそなわっており、集団に参加した個人はこの規範を遵守(じゅんしゅ)することがもとめられる。規範は明文化されている場合もあれば、されていない場合もあり、参加の時点でそれへの誓約をもとめられる場合もある。規範の遵守は規範逸脱者への制裁や排除・除名と対になっているから、当然ながらその集団参加の動機付けが強い者ほどそれを遵守する傾向が強く、その逆もいえる。集団の規範は集団を存続させ、成員を凝集させる力となるものであるが、ときとして個人の利益とぶつかることもある。そのようなとき、個人にとって集団規範はよそよそしく自分を疎外する力にみえてくることだろう。

一般に、集団はその成員に対して同質性をもとめるような斉一化の力をおよぼしてくる。企業や学校における制服の制定などがそのよい例である。この斉一化の力は規範的な力をおびているから、個人にはそれがひとつの集団圧力として経験され、それに対抗するのには困難をともなうことが多い。とくに全体が斉一的な判断をしめす場合に、個人がひとりだけほかとことなる判断や意見をもったり行動したりすることは困難である。このことは、のちにしめすアッシュの集団圧力に関する実験結果にみることができる。

3

地位と役割

一般に集団は、地位と役割に関して構造化されているのがふつうである。会社組織でいえば社長を筆頭に、部長、課長、係長、主任、平社員の地位にわかれ、それぞれの地位にはそれにふさわしい役割期待がそなわり、その地位にある者はその役割期待にそった行動をとることがもとめられる。しかし、地位や役割は固定的ではなく年月とともに変動する可能性がある。それゆえ個人も、ただあたえられた役割をこなしているだけにあまんじるわけにはいかない。「でる杭(くい)はうたれる」という集団力学がある一方で、ほかの成員との比較過程がはたらき、その結果、昇進をめぐる競争が生じ、業績次第では「抜擢(ばってき)人事」もおこりえる。しかも、このような地位と役割をめぐる集団力学には、重層的なリーダー・フォロワー(上司・部下)の関係がともない、リーダーがどのようなリーダーシップを発揮するかによって、集団成員のまとまり(凝集性)や生産性が大きくことなってくる。

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