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なめしという化学的な処理・加工によって腐敗(→ 腐敗と分解)をふせぎ、強くてしなやかな素材にした動物の皮。生皮(hide,skin)と区別してレザー(leather)ともいう。なお毛皮(fur)とは毛をつけたままなめした広義の皮革である。世界じゅうのほとんどの皮革は牛皮、山羊皮、羊皮からつくられる。そのほかにウマ、ブタ、カンガルー、爬虫類、アザラシ、セイウチの皮もつかわれる。→ 毛皮産業 皮革は靴・かばん・衣服・スポーツ用品・馬具などひろい範囲の製品につかわれている。皮の種類と加工方法によって、布のようにやわらかいものから、靴の底革のようにかたいものまである。 牛皮は皮革生産の主要な材料で、強い皮は靴の底革、機械のベルト、エンジン・ガスケット、ハーネスなど耐久性が必要な製品につかわれる。また牛皮より軽くてきめが細かい子牛皮は、靴の甲革のような用途につかわれる。羊皮はやわらかくてしなやかで、手袋、ジャケット、そのほかの衣類につかわれる。 古代から人類は動物の皮をつかって皮革をつくる技術をまなんできた。化学物質をつかって動物の生皮を皮革に加工する工程をなめしという。ここではそのなめし工程についてのべる。
皮革生産につかわれる生皮は食肉加工の副産物がほとんどである。動物からはぎとった生皮というのは腐敗しやすい。そこでなめす前に、生皮はすぐ乾燥または塩漬にされる。一般には塩(塩化ナトリウム)をつかった塩漬が多く、これにはウエット・ソルティング(湿塩法)とブラインキュア(塩蔵法)の方法がある。 ウエット・ソルティングでは、生皮はそのまま塩漬にしてつみ重ねておく。その状態でおよそ30日おき、完全に塩分を浸透させる。ブラインキュアはより短時間ですむ方法である。レースウーとよばれる大きな槽に飽和食塩水をいれ、およそ16時間生皮をつけると、完全に塩分が皮に浸透する。こうして防腐処理がほどこされたものを原皮という。
貯蔵をおえた原皮は真水につけて塩抜きし、血や汚れをとりのぞくとともに貯蔵中にうしなわれた水分を補充してやわらかくする。皮の種類によってちがうが、2時間から7日間真水にさらしたのち、機械で皮下組織をとりのぞく。毛をぬくためには皮を石灰溶液に9日間ひたす。この作業をおえると毛抜き機械でかんたんに毛をとりのぞくことができ、皮の表面には銀面層の特徴のある模様があらわれる。機械脱毛後、さらにのこった皮下組織や毛を、にぶい刃物をつかって手作業できれいにする。これをあか出しという。
次に皮をうすい酸性溶液につけて石灰分をとりのぞく。同時に、タンパク分解酵素入りの「ベーチング」剤をつかって、表面をなめらかにして、皮をやわらかくしなやかにする。ベーチングの程度は用途によってことなる。底革にはまったくおこなわないし、子ヤギ皮を手袋に加工するには集中的にベーチングをおこなう。脱灰とベーチングがおわると、なめしをおこなうことができる。
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