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    放射線医学(ほうしゃせんいがく、Radiology) 放射線 を用いた診断や治療等を中心とした 医学 の一分野である。「医学放射線学」、「放射線科」とも称される。

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放射線医学

放射線医学 ほうしゃせんいがく Radiology
百科事典項目
項目構成
I

プロローグ

放射線を利用して、診断や治療をおこなう医学の一分野。

放射線診断や放射線治療には、X線アルファ線ベータ線ガンマ線電子線陽子線などの放射線をもちいる。放射能放射

放射線医学の起源は、1895年、ドイツの物理学者ウィルヘルム・C.レントゲンがX線を発見したことにさかのぼる。この業績で、レントゲンは第1回ノーベル物理学賞をうけた。その後まもなく医学の分野では、X線を利用して体の中をうつしだすレントゲン装置が開発された。最近では、放射線以外の診断法として超音波診断法核磁気共鳴の原理をもちいたMRI(核磁気共鳴画像診断法)などの方法が考えだされている。

II

画像診断

おもにX線で撮影した画像をつかって、病気やけがで変化している組織を発見し、解剖学生理学の両面からその変化をよみとる診断法である。放射線診断には、胸にX線をあててフィルムに肺をうつす胸部X線検査をはじめ、CTスキャン(コンピューター断層撮影法)のような新しい方法が開発され、もちいられている。断層撮影法(トモグラフ)は、体のある面の周りに、さまざまな方向からX線をあてるものである。CTスキャンは、X線が体内をとおるときに、組織によって通り方がちがうことを利用したもので、コンピューターで分析し、輪切りの画像をえる。

そのほか、核医学診断といわれる診断法がある。核医学は、核放射線医学ともいい、しらべたい組織にラジオアイソトープ(放射性同位体)を吸収させて記録する方法である。ポジトロンCT(PET、陽電子放射断層撮影法)のような新しい技術も生まれている。 放射線科医は、臨床医と相談し、患者にとっていちばんよい診断法をきめている。

体の中には、ふつうのX線撮影ではみえない組織もある。この場合は、造影剤という放射線を通さない物質をのんだり、注射したりする。造影剤をつかうものには、バリウムをのんで造影する胃、小腸大腸の検査、関節に造影剤を注入する関節造影写真、脊髄に造影剤を注入する脊髄造影写真、動脈、静脈、リンパ管に造影剤を注入する血管造影写真などがある。

このような検査では、体内の組織の動きを実際にみることができる。腸の中を造影剤がとおっていくようすや、血管や脊髄の中を造影剤がながれるようすなどが、放射線を感知するスクリーンにうつしだされる。X線映画撮影法といって、フィルムやビデオテープに体の内部の動きを記録する方法もある。撮像法とちがって、フィルムやビデオテープは、記録したものを半永久的にのこすことができる。画像診断

III

放射線治療

放射線を治療に利用するのは、おもに悪性腫瘍の場合である。放射線だけで治療する場合と、温熱療法化学療法と併用される場合がある。19世紀後半、放射性物質が自然にあるのが発見され、以来、皮膚、目など体の表面にできた腫瘍の治療にもちいられるようになった。コバルト遠隔照射装置や、リニアアクセレーター、ベータトロンなど電子線を発生する装置をもちいて(加速器)、体の深部にできた腫瘍の治療もおこなっている。最近では、陽子線や中性子線も治療につかわれている。

放射線療法はふつう、手術で腫瘍をとりのぞく前か直後におこなわれる。放射線で腫瘍細胞を破壊すれば、ほかの部分に転移するおそれが少なくなる。また、手術後に癌が再発した場合にもおこなわれる。

IV

放射線障害

X線などの電離放射線は、細胞の分子を電離させ、細胞を変化させる性質がある。電離放射線は自然にも存在していて、わずかではあるが、人間はそれをあびて生活している。しかし、自然の放射線で障害がでることはほとんどない。問題は、それ以外に放射線をあびる場合である。診断にしても治療にしても、放射線をつかえば、放射線のとおる皮膚、放射線のあたった細胞とその周りの細胞に障害がでる。また、放射線をあつかう医師や技師にも障害がおよぶことがある。

これについては、世界的に問題になっており、国際放射線防護委員会(ICRP)が何回か勧告をだしている。日本でもICRPの勧告をもとに、1957年(昭和32)、放射線障害の防止に関する法律ができた。この中で、放射線の管理、放射線に汚染された物質の扱いなどについて、規制がさだめられている。その後、77年のICRP勧告にもとづいて、89年(平成元)4月から放射線防護関係法令が施行されている。

このように、放射線による障害のことを考えると、放射線診断は、むやみにおこなうべきではない。病気の治療に薬をつかうのと同じで、放射線診断が必要だと思われるような徴候があり、しかも医師の直接の指示があったとき以外は、おこなうべきではない。検査であびる放射線の量はごくわずかだが、まったく障害がおこらないという保証はないのである。

また、治療に関しても、腫瘍細胞より周りの細胞のほうが、放射線の影響から回復する能力がまさっていることを前提におこなわれなければならない。したがって、腫瘍細胞を破壊する量の放射線が周りの正常な細胞を傷つけるのは、ごく一時的でなければならない。もし逆に、腫瘍細胞のほうがまさっている場合は、放射線抵抗性の腫瘍といわれ、放射線療法は適切でないことになる。

放射線生物効果

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