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14~130年 この時代の言語は、修辞的にかざりたてた表現と簡潔で巧みな表現の両方に努力がはらわれていることで特徴づけられる。この特質は、とくに哲学者で劇作家であるセネカや歴史家のタキトゥスの作品に顕著である。
2~7世紀(およそ636年まで)にわたっており、この時代は、教会の神父のキリスト教ラテン語をふくんでいる。後期ラテン語期では、侵入してきた野蛮な部族が、多くの外国の表現形式や成句をラテン語にもたらした。このなまったラテン語はlingua Romana「ローマの言葉」とよばれ、教養人たちによってもちいられる洗練された古典語であるlingua Latina「ラテンの言葉」とは区別された。
教養のあるローマ人の話し言葉は、さまざまな作家の作品の中にあらわれる。とくに、プラウトゥスとテレンティウスの喜劇やキケロの手紙、ホラティウスの風刺文学や書簡体作品、ペトロニウスの「サテュリコン」の中にみられる。この時代のラテン語は、語順が自由であることや間投詞を数多くもつこと、ギリシャ語の単語を頻繁にもちいることなどによって特徴づけられている。 教養ある人々によって話される言葉sermo cotidianusと、教育のない階層の言葉sermo pledeiusとははっきり区別されていた。そして、教育のない階層の言語は、統語規則を大幅に無視し、新語の使用をこのみ、また、とくに語順は固定化する方向へとむかった。俗ラテン語として知られているこの言葉から、ロマンス諸語が発達した。たとえば、equus「馬」は使用されなくなり、caballus「駑馬(どば)」がロマンス語の単語としてcheval、caballoのように「馬」をあらわす言葉になった。また、「頭」を意味するロマンス語の単語tête、testaは、ラテン語のcaput「頭」からではなく、文字どおりには「鉢、つぼ」をあらわすラテン語の俗語のtestaに由来している。
ラテン語は、中世の西ヨーロッパにおける書簡の言語であった。この時代のラテン語は、中世ラテン語もしくは低ラテン語とよばれており、一般人にとっても、生きた言語であった。その理由は、教会が散文と韻文の両方において非常に多くの教会文学を提供していたからである。文法は簡略化され、新語がさまざまなところからとりいれられ、新しい意味があらわれた。
15、16世紀に、新ラテン語(近代ラテン語ともよばれる)が生まれた。ルネサンス期の作家たちは、ラテン語の古典文学、とくにキケロを綿密にまねた新たなラテン文学をつくりあげた。この時期の科学書や哲学書、宗教関係書などのほぼすべての重要な本は、ラテン語で書かれおり、その中にはオランダの学者エラスムスや、イギリスの哲学者ベーコン、イギリスの物理学者ニュートンなどの著述がある。 ラテン語は、ヨーロッパ諸国間の外交的な交流にももちいられた。17世紀後半になって、ラテン語は国際語の地位からしりぞいたが、18、19世紀には古典的学識をあらわす言語であり、20世紀になっても専門的な学術論文はしばしばラテン語によってなされている。ローマ・カトリック教会は、現在も公的な文書にはラテン語を使用している。 近代のラテン語教育では、いくつかの発音の方式がもちいられている。ヨーロッパ大陸方式は、ヨーロッパの近代語の発音を基本にしており、ローマ・カトリック教会では、イタリア語の発音に似せたこの方式がおもに使用されている。イギリス方式では、ラテン語単語が英語風に発音されるが、おのおのの音節は独立したように発音される。ローマ式発音は、推測によってキケロ時代のラテン語の発音を復活させたものであり、アメリカや上記以外の国の学校などで使用されている。 古代のラテン語は、ギリシャ語ほどには柔軟性がなく洗練されていなかった。また、ラテン語の語彙(ごい)は制限されており、抽象的な考えを表現するには不十分であった。しかし、ギリシャ語から多くの単語を借用するなどして、数世紀の間に緻密な思考を表現するための伝達手段をつくりあげた。そして、今日もラテン語は存続しているが、それには、二重の意味がある。つまり、文語ラテン語それ自身が現在まで使用されつづけているということだけではなく、ロマンス諸語内でもさらに生きつづけているということである。そのロマンス諸語は、俗ラテン語が発展したものに相当し、その中でもとくにイタリア語などは、現代ラテン語だともいえる。 ラテン語は、その文学ゆえに重要な言語だが、ラテン語の発展過程を研究することによって言語の一般的な歴史、とくに、主要な近代ヨーロッパ語の起源と発展に関する情報をえることができるという点でも、重要な言語である。
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