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やわらかい銀白色の金属元素。アルカリ金属のひとつで、化学的に反応性が高い。1807年、イギリスの科学者デービーがはじめて金属を分離した。
金属ナトリウムはやわらかく、ナイフで切ることができる。空気にふれるとただちに酸化される。また、水とはげしく反応して水素を発生しながら水酸化ナトリウムにかわる。ナトリウムを保存する場合は、空気および水との接触をたつため、石油などの有機溶媒中にしずめて密封する。 天然のナトリウムは、すべて化合物の形となっている。塩化ナトリウムNaClは、海水中や塩湖中に大量に存在するほか、岩塩として巨大な鉱床をつくる。また炭酸ナトリウム(天然ソーダ)Na2CO3、硫酸ナトリウム(ボウ硝)Na2SO4として産出するものもある。金属ナトリウムは工業的には、融解した塩化ナトリウムを電気分解して生産される。 ナトリウムは動物にとって不可欠な成分で、血液や体液中に多量にふくまれる。→ 栄養の「無機質(ミネラル)」
金属を精錬する際の還元剤として利用される(→ 冶金)。ナトリウム蒸気の中でおきる放電を利用したナトリウムランプは、色彩は見わけにくくなるが、発光の効率が高い。ガソリンのアンチノック剤であるテトラエチル鉛は、金属ナトリウムと鉛の合金に臭化エチルを反応させてつくる。金属ナトリウムは、高速増殖炉の冷却材としての用途もある。軽水炉の冷却材である水と比較すると、液体の金属ナトリウムは融点から沸点にいたるまでの幅が広く、熱伝導度もすぐれている。最大の利点は、圧力容器による加圧なしで、高温の炉心と接触できることである。ただし、液体金属ナトリウムは、空気や水にふれるとはげしく反応して爆発するので、冷却装置からの漏れをふせぐための厳重な管理が必要である。日本では、福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」の冷却材につかわれた。しかし、実用化のすぐあとの1995年12月、ナトリウム漏れ事故がおこり、火災が発生した。安全性向上のための問題を解決するには、長い時間が必要だといわれている。 化合物では塩化ナトリウム、いわゆる食塩がもっとも多く利用されている。炭酸ナトリウム(洗濯ソーダ)や、炭酸水素ナトリウム(重曹)NaHCO3の需要も多い(→ ソーダ)。水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)NaOHは石鹸、合成繊維、紙の製造や、石油精製、織物工業、ゴム工業に利用される。ホウ酸ナトリウムNaB4O7・10H2Oはホウ砂として知られる化合物で、ガラス工業に利用される。硝酸ナトリウム(チリ硝石)は化学肥料として、過酸化ナトリウムNa2O2は漂白剤、酸化剤として、それぞれ使用される。ハイポともよばれるチオ硫酸ナトリウムNa2S2O3・5H2Oは、写真の定着剤に使用される。 元素記号Na。原子番号11。原子量22.98976928。周期表(→ 周期律)の1族に属する。融点97.8°C。沸点881.4°C。密度0.968g/cm³(20°C)。地殻中の存在量2.27%。モース硬度0.4。
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