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円周の長さの直径に対する比、つまり円周の長さを直径で割った値。記号p(パイ)であらわす。円周率は旧約聖書にも出ていて、その数値は3となっている。円周率は、無理数である。したがって、小数点以下の桁(けた)は無限につづく。pという記号は、ギリシャ語で周をあらわす言葉の頭文字をとったもので、円周率の記号pを最初につかったのは、イギリスの数学者ウィリアム・ジョーンズといわれるが、広くつかわれるようになったのは、レオンハルト・オイラーが1748年に「無限解析序論」という書物の中でつかって以来である。
pが無理数であることは、1761年にドイツの数学者ヨハン・ランベルトが証明し、1882年にフェルディナント・リンデマンが、超越数であることを証明した。超越数とは、整数を係数とする代数方程式の解(→ 方程式)にはならない数のことで、分数などでは表現できない。幾何学的には「定規とコンパスだけをつかって作図できる長さ」でないことにあたる。したがってリンデマンの定理によると、「円と同じ面積をもつ正方形を、定規とコンパスだけをつかって作図すること」は、円積問題といわれ、不能(作図不能)であることを意味している。
正多角形は、nを辺(角)の数、隣接する2つの頂点と中心をむすんでできる角度の1/2をラジアンでしめしてθ( = p/n)とすると、内接多角形の1辺の長さは、
この方法は、古代ギリシャの数学者アルキメデスが考えたもので、一般にアルキメデスの方法という。アルキメデス自身の時代は、三角法(→ 三角法と三角関数)も代数的方法もつかえなかったが、円に外接および内接する正96角形をえがいて、円周率は3と3の間にあることを正確にしめした。同じ方法で、5~6世紀のインドで活躍した天文学者アールヤバタは3.1416、中国では魏晋南北朝時代の祖冲之(429~500)は概算(約率)で22/7、高精度(密率)で355/113と計算している。 この方法は、日本にもつたわり、17~18世紀の村松茂清、関孝和、鎌田俊清など和算の大家がこぞって計算した。
直交座標で原点を中心とする円を関数であらわすと、
1706年にロンドン大学の天文学教授ジョン・マチンは、
円周率の計算に最初にコンピューターがつかわれたのは1949年のことで、フォン・ノイマンがグレゴリーとマチンの公式をつかってENIAC(エニアック)で2035桁まで計算している。計算機が登場するまで、円周率を精密に計算することは、計算能力と忍耐力をしめすことで、多くの数学者が長期間かけて挑戦してきたが、今日では桁数を多く計算することにあまり意味はなくなっている。 2002年(平成14)12月、東京大学の金田康正らはスーパーコンピューターをつかって、1兆2411億桁まで計算したと発表。みずからが1999年につくった2061億桁という世界記録を、一気に6倍にのばした。この計算には約600時間がかかっている。円周率の桁数競争では、計算にもちいられるアルゴリズム開発やコンピューターの性能検証など副産物がもつ意味も大きい。 小数点以下60桁までをしめすと、 .1415926535 8979323846 2643383279 5028841971 6939937510 5820974944…となる。
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