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水や養分をはこび、植物体をささえる役割をもつ茎がじゅうぶんに発達せず、もっぱらほかの物に巻きつきあるいは、引っかかるなどして依存することによって、光合成に有利な高い所までのびる植物のこと。
熱帯雨林では、多数の蔓植物がからまる特異な景観をつくりだしている。熱帯の蔓植物は別名「しめ殺し植物」ともよばれる。これにからまれると、やがては枯れてしまうおそろしい植物である。と同時にからんだほうの蔓も枯れ、「共倒れ」になってしまう運命にある。この一見何もない景観の中にも静かで長い生存競争があるのである。 熱帯の蔓植物には、茎にいちじるしい棘(とげ)をもつものがからまって、容易に人々をよせつけないジャングルをつくるものもある。
日本に自生する蔓植物は約49科305種が知られ、日本の自生種の約6%にあたる。蔓植物には、一年生草本(→ 二年草)から木本植物までさまざまな生活形をもつものがある。植物の水平分布帯(→ 植物分布の「水平分布帯」)からみると、夏緑樹林帯には夏緑の蔓が、照葉樹林帯には常緑の蔓が多く、分類群別では、草本はウリ科(→ ウリ)、ガガイモ科、ヒルガオ科、木本はブドウ科、マメ科などに種類が多い。
茎自身でほかの物に巻きつくフジ、ヤマノイモの仲間、ヒルガオの仲間、茎から気根をだして付着するキヅタやツタ、巻きひげでからまるエンドウ、側枝でからまるウリの仲間やブドウの仲間、托葉が巻きひげになってからまるサルトリイバラなど、さまざまな種類にいろいろな依存形態がみられる。 また、表面に根のほうに向いて生えるかたい毛によって、体をささえるカナムグラ、逆棘でからまるツルグミ、鉤(かぎ)でひっかけてよじのぼるカギカズラなどもある。
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