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ほとんど反応性をもたない原子価ゼロの希ガスは、周期表では、プラス1の原子価で化合物をつくる反応性が高い金属元素(→ 金属)と、マイナス1の原子価で化合物をつくる反応性が高い非金属元素の間におかれている。このことから、元素の性質にみられる周期性が、原子核の周りをまわる電子の殻状の配列によるものであるという理論がみちびきだされた。この理論によると、希ガスはその電子殻が完全に電子でみたされているため不活性となり、そのほかの元素では部分的にのみ電子がはいった電子殻が存在し、この不完全な電子殻の電子によって反応がおこるのである。 周期表で希ガスの1つ前の位置にある元素はすべて、電子殻を完全にみたすのに必要な数より1つ少ない数の電子をもっており、マイナス1の原子価をしめし、化学反応をおこすときに1個の電子を獲得する。周期表で希ガスの次にくる族の元素は、完全にみたされた電子殻構造の場合よりも1個余分な電子をもっており、プラス1の原子価をしめし、化学反応をおこすときにこの電子をうしなう。 この理論にもとづいて周期表を分析することによって、最初の電子殻には最大2個の電子が収納され、2番目の電子殻には最大8個まで、3番目の電子殻には18個までというように電子が収納されることがわかった。どの周期の場合でも、1つの周期に属する元素の合計数は、安定な配置、つまり電子殻が電子でみたされた状態を達成するために必要な電子の数と一致している。ある1つの族の中のa亜族とb亜族の違いは、この電子殻の理論で説明される。どちらの亜族もまったく同一の不完全な最外殻構造をもっているが、その内側の殻の構造がたがいにちがっているのである。この原子模型によって、化学結合もうまく説明できる。
デンマークの物理学者ボーアやその他の科学者たちによって量子論が展開され、これが原子構造の理論に応用されるようになると、周期表の詳細な特徴の多くが容易に説明できるようになった。すべての電子の軌道運動は、4つの量子数によってきまる。これらの量子数を支配する選択則と、同一原子の2つの電子はまったく同一の4つの量子数をとることはできないというパウリの排他律(パウリの排他原理とも)を利用して、それぞれの殻を完成させるのに必要な電子の最大数を、理論的に決定することができ、これによって周期表から推測された結論が確認される。 量子論がさらに発展すると、ある元素は不完全な殻(最外殻、原子価殻)をただ1つだけもち、またある元素には内側の殻にも不完全な殻があるのはなぜかということが明らかになった。後者に該当するのは希土類元素として知られる元素で、これらの元素はあまりにも性質がよく似ているため、メンデレーエフは当時わかっていた14個の元素を、周期表の1つの場所にあてはめなければならなかったものである。希土類元素の族にはランタノイドに属する元素がふくまれる。
原子構造に関する量子論を周期律に応用することによって、元素の電子的な解釈に力点をおいた、いわゆる長周期型周期表がつくりだされた。長周期型周期表における各周期は、新しい電子殻の構築に対応している。たがいに直接対応する関係にある元素は、完全に類似の電子構造をもつ。長周期の初めの部分と終わりの部分では電子が最外殻にくわえられ、中央の部分では内側の殻の電子数が増加する。 周期律は、融点、沸点、密度、結晶構造、硬度、電気伝導率、熱容量、熱伝導率などといった物理的性質や、反応性、酸性度、塩基性度、原子価、極性、溶解度といった化学的性質をはじめとする、元素がもつさまざまな性質をたがいに関係づけるためにみいだされたものである。 → 同位体
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