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合成樹脂ともいう。工業的に合成される高分子化合物をさす。 本来は、外から力をくわえることで変形する性質、つまり可塑性をあらわすギリシャ語のPlastosに由来する言葉だったが、19世紀後期から高分子物質の工業生産が盛んになるにつれ、合成された高分子物質をプラスチックとよぶようになった。プラスチックという名称は、日本では適度の硬さをもつ繊維以外の合成高分子化合物に対してのみ使用され、ナイロンなどの合成繊維(→ 繊維)や、弾力のある合成ゴム(→ ゴム)は、プラスチックとしてあつかわない。しかし欧米では、合成繊維、合成ゴムをはじめ、植物繊維のセルロース、ワックス、天然ゴム、樹脂など天然の高分子物質も、プラスチックにふくまれる。 プラスチックの最大の特徴は、可塑性にすぐれているため、成形加工が容易におこなえることである。製品となる前のプラスチックはチップ(細片)・粉末・液体などの形で、これを押出成形、金型をもちいる成形、注入成形によって、思いどおりの形状の製品をつくることができる。合成繊維の紡糸も基本的には同じで、未加工の合成樹脂を小さなノズルからおしだして繊維にする。木材・石材・金属と比較すると、成形加工にかかる手間は格段に少ない。そのほかの特徴としては、軽量なわりに強度が高いこと、熱と電気を伝導しにくいこと、酸・アルカリ・有機溶媒に対して耐性があり、化学変化をうけにくいことがあげられる。これらの利点によって、19世紀に登場した新材料のプラスチックは、短期間のうちに世界的規模で普及することになった。
人類が開発した最初のプラスチックはセルロイドである。
1863年、象牙をつかってビリヤードの球を製造していたアメリカの会社が、象牙にかわる人造の代替品の開発に対して1万ドルの懸賞金をかけた。これに挑戦したアメリカの発明家ジョン・ハイアットは、窒素含有量の少ないニトロセルロース(別名パイロキシリン)をショウノウと少量のアルコールで可塑化した化合物とその加圧成形法を開発することに成功した。ジョンの兄イサイアがこれをセルロイドと名づけた。セルロイドという商標で特許がとられ、兄弟は72年にセルロイド・マニュファクチャリング社を設立、生産が開始された。 セルロイドは発火しやすく、光にあたると劣化しやすいという難点もあったが、玩具(がんぐ)、文房具、写真フィルム、入れ歯、ワイシャツのカラー(襟)など、さまざまな製品がつくられるようになり、商業的には大きな成功をおさめた。セルロイドは第2次世界大戦後、より安価ですぐれたプラスチックが開発されるまで、大量に利用されつづけた。
セルロイドの発明の後には、同様に天然のセルロースを原料にもちいた半合成繊維レーヨンが発明された。レーヨンは天然セルロースを分解したのち、人工的に重合させた繊維で、現在でも大規模に生産されている(→ ポリマー)。
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