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錆(さび)をほとんど発生しない、耐食性にすぐれた特殊鋼。不銹鋼(ふしゅうこう:不錆鋼とも書く)ともいい、たんにステンレスやステンと略してよぶこともある。鉄は古代から有用な金属として広くつかわれてきたが、水や塩分の存在によって、容易に錆が発生して腐食が進行する。古来から油脂や塗料を塗布したり、内部に進行しない酸化物を表面に付着させたり、めっき(→ 電気めっき)によって錆をふせいできたが、決定的なものではなかった。ステンレス鋼は、1910年代にイギリスで、刃物用の鋼にクロムをくわえた材料が実用化されたことにはじまる。
鉄にクロムを12%以上添加した合金は、鉄や炭素鋼よりも高い耐食性をもち、常温常圧の空気中ではほとんど錆が出ない。クロムだけでは耐食性がじゅうぶんでないので、ほかにニッケルもくわえることがある。このようにクロムなどを添加した合金を総称してステンレス鋼という。 ステンレス鋼を大別すると、クロムだけを添加したものをクロム系ステンレス鋼、ニッケルもくわえたものをクロム・ニッケル系ステンレス鋼という。 さらに機械的強度や耐食性、溶接特性を改善する目的で、チタン、アルミニウム、モリブデンなどの元素が添加されることもある。
ステンレス鋼は、酸化によっておもにクロム酸化物の被膜が表面にでき、材料の内部まで酸化が進行しなくなる。このように、理論的には化学反応が進行するはずの条件下で、反応が進行しなくなって安定した化合物ができることを不動態化といい、発生する酸化物などの化合物そのものを不動態という。本来腐食しやすいアルミニウムが構造材として広くつかえるのも、表面に不動態ができるためである。
成分だけでなく、金属組織の違いから、(1)マルテンサイト系、(2)フェライト系、(3)オーステナイト系、(4)2相系またはオーステナイト・フェライト系、(5)析出硬化系に分類される。
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