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年代測定法

年代測定法 ねんだいそくていほう Dating Methods
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2

そのほかの絶対年代測定法

今では、放射年代測定法以外の絶対年代測定法も、いくつか開発されている。時間とともにすすむ化学反応を利用したり、1年ごとに変化するものをつかったりする方法である。

2 A

年輪年代法

木の年輪の幅が、気温や雨量などの気候変化によって1年ごとに変化することに着目して、絶対年代を測定する方法。まず、伐採年代がわかっている多数の木材の年輪を詳細にしらべ、地域や樹種による長期間にわたる年輪幅の変動パターンを作成する。これが年輪標準パターンで、伐採年を知りたい木材があれば、そのパターンと年輪を照合することによって、伐採年をわりだす。

ただし、表皮や表皮に近い部分の年輪がのこっていないと伐採した年代の確定年あるいは推定年を判定することはできない。この場合、最外辺部にある年輪の年代は、資料木材の推定年代の上限をしめすにすぎない。この測定法は考古学だけでなく、建築史や美術史に関連する分野でも応用され、逆に変動パターンから古気候をしらべることもできる。

アメリカでは、早くからこの方法をつかって、先住民の研究にもちいられている。アメリカでは長寿なことで知られるヒッコリーマツ(→木の「生長の過程」)をつかい、今から8000年以上前までの年輪標準パターンがまとめられている。ドイツでは、ナラ類から同じくらい古い時代にさかのぼる標準パターンができており、フランスや東地中海周辺では6000年程度の標準パターンができている。

日本は湿気が多く地形も複雑で、成育環境の差が大きいため、パターン化された物差しをつくることはむずかしいとされてきた。しかし1980年代以降、奈良文化財研究所(旧、奈良国立文化財研究所)を中心に、スギ・ヒノキ・コウヤマキの3種の年輪年代学研究がすすんでいる。現在では、スギが今から前1313年まで、ヒノキが前912年まで、コウヤマキでは後741年から後22年までの1年単位の暦年標準パターンが完成している。

近年の成果では、2001年(平成13)2月に法隆寺五重塔の心柱(しんばしら)につかわれていたヒノキ材の年代が594年(推古2)とされ、670年(天智9)の焼失後に再建されたとする定説と矛盾し、新たな謎(なぞ)として話題になった。また、滋賀県甲賀市の宮町遺跡では、出土した宮殿クラスの掘立柱が年輪年代法により、紫香楽宮創建時期に近い743年(天平15)秋ころ伐採されたものとわかった。この結果から、宮町遺跡は紫香楽宮跡の可能性がきわめて高く、それまで紫香楽宮跡とされてきた場所は甲賀寺跡とされる証拠のひとつとなった。

東大寺南大門の仁王像の解体修理時には、そのヒノキ材の年輪年代測定がおこなわれ、大仏殿などの用材とおなじく、鎌倉時代初期の1196年(建久7)~1201年(建仁元)に伐採されたものがつかわれていることが判明、これは1203年とされる仁王像の完成年と整合する結果だった。さらに、山口県山口市の法光寺(旧、安養寺)の阿弥陀如来座像台座と同じ伐採年であることも判明し、東大寺の再建用材を調達するため周防におもむいた重源が、その拠点として創建したという寺の伝承を裏づけた。

ほかにも、大阪府の池上曽根遺跡の大型建物跡出土の直径50~60cmもあるヒノキ柱の1本が前52年に伐採されたことがわかった。土器様式などから推定されていた、この建物の年代より100年近くも古い時代に伐採された材木がつかわれていたことは、学界に衝撃をあたえた。これは学会に土器編年と年輪年代による絶対年代の整合性を検討させるきっかけのひとつになった。また、古代城柵のひとつ秋田県大仙市の払田柵跡(ほったのさくあと)から出土した柵用材のスギは、801年(延暦20)に伐採されており、不明な創建時期の貴重な手がかりとなっている。

2 B

氷縞年代法

絶対年代をきめるために、はやくからもちいられていた方法で、20世紀の初めにスウェーデンの科学者がはじめておこなった。氷縞とは、氷河がとけるときに湖などの底に堆積した粘土の層であり、1年ごとに縞(しま)ができている。この縞をかぞえると、更新世の氷河による堆積物の年代をはかることができる。この縞模様は、気候の変化によって厚くなったり、うすくなったりする。このことを利用して氷河が後退した年代を知ることができる。氷河時代

2 C

熱ルミネセンス法(TL法)と電子スピン共鳴吸収法(ESR法)

放射線の照射によってできたフリーラジカルをはかる方法である。

熱ルミネセンス法は、鉱物をある温度以上に加熱すると、それまでにうけた天然の放射線量に比例する量の光をはなつ、熱ルミネセンスという現象を利用する方法である。天然の放射線量がつねに一定であるとすると、石英などの鉱物の熱ルミネセンスを測定すれば、最後に加熱された時期をきめることができる。たとえば、土器の年代を熱ルミネセンス法で決定するということは、その土器が焼かれたとき以来ずっとうけてきた放射線のエネルギー量をはかるということになる。この方法は数十万年前までの年代決定にもちいられる。

電子スピン共鳴吸収法は天然の放射線によってたくわえられたフリーラジカルの量をはかる。この方法で、貝殻などの数十万年前の年代測定ができる。

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